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vSphere 6.0 サポート終わるんだってね!!(知ってるさ!)でも利用環境の確認を

vSphere 7 が発表になり、噂によると5月にはダウンロード開始になるという中、実は3日前の 3/12 にサポートが終了した製品があります。そう何を隠そう(隠していない!)vSphere 7 の前のメジャーバージョンの vSphere 6.0 のジェネラル サポートが終了しました。

VMware 製品のサポートポリシーは何度か変更があるのですが、現在の所は製品がリリースされてから5年でジェネラル サポート終了となり、7年でテクニカルガイダンスが終了になります。この辺りしっかり理解しておく必要があるんですね。つまりいつまでも製品を使い続けることは出来ず、寿命が来る前に新しいバージョンへとアップグレードしなければならないということですね。ここ重要。

VMware の製品のライフサイクルポリシー(ゆりかごから墓場まで)は以下の流れのポリシーが策定されています。

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ライフサイクル

それぞれのフェーズは以下の通りとなります。

1.ジェネラルサポート(General Support Phase

通常の SnS(サポートアンドサービス)の範囲で、新規のハードウエアやゲストOS、バグとセキュリティの修正とテクニカルヘルプデスクが提供されます。
ジェネラルサポートは製品がリリースされた年から vSphere の場合 5年後がサポート終了になります。

これは製品を安心して使い続けられる期間です。

2.テクニカルガイダンス(Technical Guidance Phase

ジェネラルサポートの終了後にテクニカルガイダンスに入りますが、vSphere では 2年になります。セルフページからの重要度の低い問題に対してのオンラインでのサポートが提供されます。新規のハードウエアやゲストOS、バグとセキュリティの修正はありません。これは俗にいう「枯れた」製品となっていて、使い続けても大きな問題は出ないかもしれないと考えられる期間です。但し、大きな問題が出た場合でも製品に対する修正は出ず、基本的にはバージョンアップのみの対応になります。
3.サポート終了(End of Support Life

上記2つのフェーズのサポート終了は、そして、つまり、製品のメジャーバージョンがリリースされてからどんなに長くても現時点では 7年後にすべてのサポートが終了することになります。そのため、それ以降使い続ける場合にはユーザー自らの責任において使うことになります。VMware からのサポートは一切受けられません。

4.提供終了 (End of Availability / aka End of Distribution

製品自体の提供が終了すると媒体イメージや修正パッチなども入手できなくなります。

 

これらサポートに関するライフサイクルは VMware 社のサイトにある「VMware Lifecycle Product Matrix」で表として提示されています。時々更新されていますので気になる場合は見ておくとよいかと思います。以下は

VMware Lifecycle Product Matrix」https://www.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/support/product-lifecycle-matrix.pdf
を勝手に日本語化したものの、vSphere 関連の部分だけ抜粋したものです。

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vSphere ライフサイクル製品マトリクス(サポート対象の製品)

 

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vSphere ライフサイクル製品マトリクス(サポート対象外の製品)

 

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VMware Infrastructure 3 Policy(VI3P)のみが対象とする製品

これを見るとわかるように、実は vSphere 6.0 のジェネラルサポートが今月の 12日で終了しているんですね。最近の VMware 製品では 2世代前まではサポートするけれど、それより前の製品のサポートは終了するという形になっているようで、vSphere も 7 が登場するため 6.0 が終了する形になります。そして 5.5 の備考にある A,B のような記述が 6.0 にはありません。この A, B は上の図を見ていただくとわかりますが、
A:この製品バージョンでは、一般サポート終了の例外が適用されています。
B:この製品バージョンでは、技術ガイダンスの終了に対する例外が適用されています。
のようなサポート例外がありませんので、この「VMware Lifecycle Product Matrix」のサポート終了の記載日でサポート終了が確定しています。ということは、既に新規のハードウエアやゲストOS、バグとセキュリティの修正とテクニカルヘルプデスク提供が終了している製品になるわけです。テクニカルガイダンスがあるといっても修正が出ないのでは心許ないですね。なので、vSphere 6.0 の環境は vSphere 7 の登場を待たずに早急に vSphere 6.5 以上にアップグレードする必要があります。そして安心するのはまだ早い、vSphere 6.5 および vSphere 6.7 は 2021年11月15日にはジェネラルサポート終了を迎える予定になっています。そしてここでは vSphere 6.5 がやはり A, B の記述がありませんのでサポート例外なくサポートが終了します。ということは、今時点で vSphere 6.0 を使っている場合は最低限 vSphere 6.7 にしないと来年秋以降修正の出ない環境で使い続けなければならないということになります。これ、危ないですよね。

なので、自分の会社で使っているバージョンを「VMware Lifecycle Product Matrix」でしっかり確認し、サポート期間がまだ長く残っているものやサポート例外のあるバージョンにアップグレードしておくことが重要です。

では、vSphere 5.5 はどうなの?・・・・・・・・と考えますよね。これは今回参照した「VMware Lifecycle Product Matrix」では A, B の例外がついていますので、まだサポート対象になっています。ただ、いつされが変わるかはわかりませんので、可能であれば新しいバージョンにしておくのが吉です。

VMware Lifecycle Product Matrix」の勝手に日本語化したのは以下の置いてありますので、ご興味のある方はご利用ください。2020/02/29 版のものです。VMware から日本語版が提供されるようにならないうちは、新しいものが出た時点で新しい記事を書いて適宜更新します。

drive.google.com

※おまけ
良く SIer が「最新は vSphere 6.7 だから今回のハードウエアリプレースでも長く使えるので塩漬けシステムで大丈夫ですよ」と言って来たら信じちゃダメ。vSphere 6.7 は vSphere 6.5 のマイナーバージョンなのでジェネラルサポート終了は vSphere 6.5 と同じで来年 2021年の11月15日で、テクニカルガイダンスも2023年11月15日。つまり、修正が出なくなるのは今の所 2023年11月15日になる可能性もあるわけで・・・・・なので SIer から「vSphere は短期間でアップグレードしていきますので、それに合わせて vSphere を新しくしていく運用をしましょう。それには vSphere 7 の新しいアップグレードの仕組みを入れませんか?」というなら信じて任せるとか、ユーザー側もしっかり意識していかないと後で大変な目に遭いますね。
そして「もうそういうハードウエアのリプレースや vSphere のアップグレードから解放されたい!」時は、ニフクラ(https://pfs.nifcloud.com/eb/)のような vSphere ベースのクラウドサービスへの移行を検討するのも一つの手ですね。