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vSphere Hypervisor (ESXi) のサイズを調べてみた

VMwareセミナーでは、競合に対してのネガキャンのような比較資料を出してくることが多いのですが、その中でよく使われるのが「vSphere Hypervisor (ESXi) のフットプリントは小さいので安全」のような感じで、以下のような絵が使われているのを見たことがあるかと思います。

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フットプリント比較

実際の vSphere Hypervisor (ESXi) のサイズはどうなのか

このあたりの情報、裏付けとなる VMware からの公開情報を見つけることができませんでした。セミナーで配布されている資料にはあるのですが、これは VMware 社内で扱っている情報からの引用なので、その元のデータを見ることはできません。

色々な所を探していると、virtn.net というところでその情報を公開しているのを見つけました。

このサイトで ESXi 3.5 から ESXi 7.0 までのハイパーバイザーのフットプリントのサイズが記載されています。

www.virten.net

ここの情報と、上のような VMware からの情報にはちょっとだけサイズの差があるけれど、それを誤差と思って気にしないようにしても、vSphere 7 でいろいろ追加されているのに ESXi のサイズはさほど大きくならないのがわかります。

そして、上のサイトで書かれている2つ目の情報、iso イメージの中身の構成に着目すると、今全体の中の半分を占めているのが VMware Tools だということがわかります。

VMware Tools のバージョン確認方法

VMware Tools は、新しいバージョンの vSphere が出るたびに新しくなっていますが、実は ESXi にバンドルされるもの以外のバージョンも、非常に多く出ています。

まずは利用している vSphere に含まれる、VMware Tools のバージョンは、以下のナレッジの方法で確認することができます。
VMware Tools のビルド バージョンの確認 (1003947)

UI からの確認はここでできます。

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VMware Host Client からの確認

vSphere Client からはここで確認できます。

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vSphere Client

もちろん、vSphere 上の ゲスト OS からも確認することができます。一つは「プログラムと機能」から確認する方法。

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プログラムと機能

もう一つは、VMware Tools 自体を開いて確認する方法です。

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VMware Tools を開く

こうやって見るとわかるのですが、vSphere Client からの情報が Build 番号も無くて一番ラフな情報になっています。

VMware Tools はどのように変わっていくの?

現在提供されている VMware Tools の最新を知ったり、使っている VMware Tools のバージョンはどの世代なのかを知る方法も 2つあります。

一つは全ての VMware Tools のバージョンが公開されている、以下のサイトの情報です。ここを見ると、使っている VMware Tools がその ESXi の時に出てきたのかがわかります。

VMware version-mapping file.

もう一つは

VMware 製品の相互運用性マトリックスを使い、確認する方法です。ここでは VMware Tools 起点で vCenter Server や ESXi で対応しているかを確認することができます。

まずは vCenter Server で確認。

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VMware Tools と vCenter Server

次に vSphere Hypervisor ESXi で確認。

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VMware Tools と vSphere Hypervisor (ESXi)

比較してみるとわかるのですが、実は vCenter Server と vSphere Hypervisor (ESXi) それぞれで、サポートする VMware Tools が異なります。これ、この両製品がセットといつも思ってしまうのですが、vCenter Server と vSphere Hypervisor (ESXi) は全く別の製品だということが見えてきます。広い意味での vSphere としては一緒に製品として出てくるのですが、狭い意味では「vCenter Server」と「ESXi」なんだというのがわかります。そして、それに合わせて VMware Tools の対応も変わってくるということですね。

 VMware Tools と仮想ハードウエアの関係

VMware Tools は仮想ハードウエアバージョンが新しくなると、それに対応した新しいバージョンが出てきます。仮想ハードウエアバージョンは vSphere 7.0 Update 2 で 19になりました。以下のナレッジにはまだそこまでは反映されていませんでしたが、vSphere 製品と仮想ハードウエアバージョンの関係を確認することができます。

仮想マシンのハードウェア バージョン (1003746)

この仮想ハードウエアバージョンは動作する vSphere とも関連しています。これについてはドキュメントに記載があります。下の表は、最新の vSphere 7.0 Update 2のドキュメントから引用しました。

仮想マシンの互換性

互換性 説明
ESXi 7.0 Update 2 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 19)は、ESXi 7.0 Update 2 以降と互換性があります。
ESXi 7.0 Update 1 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 18)は、ESXi 7.0 Update 1 および 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 7.0 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 17)は、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 6.7 Update 2 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 15)は、ESXi 6.7 Update 2、ESXi 6.7 Update 3、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 6.7 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 14)は、ESXi 6.7、ESXi 6.7 Update 2、ESXi 6.7 Update 3、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 6.5 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 13)は、ESXi 6.5、ESXi 6.7、ESXi 6.7 Update 2、ESXi 6.7 Update 3、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 6.0 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 11)は、ESXi 6.0、ESXi 6.5、ESXi 6.7、ESXi 6.7 Update 2、ESXi 6.7 Update 3、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。
ESXi 5.5 以降 この仮想マシン(ハードウェア バージョン 10)は、ESXi 5.5、ESXi 6.0、ESXi 6.5、ESXi 6.7、ESXi 6.7 Update 2、ESXi 6.7 Update 3、ESXi 7.0、ESXi 7.0 Update 1、および ESXi 7.0 Update 2 と互換性があります。

仮想ハードウエアバージョンごとの使える機能の違い

仮想ハードウエアバージョンは、サポートするデバイスや機能が変わった時に新しくなります。この使える機能の違いもドキュメントとして公開されています。以下は vSphere 7.0 Update 2 までの各仮想ハードウエアバージョンで利用できる機能の違いです。下の表は、最新の vSphere 7.0 Update 2のドキュメントから引用しました。

仮想マシンの互換性でサポートされる機能

 

ESXi
機能

7.0 U 2 以降 7.0 U 1 以降 7.0 以降 6.7 U 2 以降 6.7 以降 6.5 以降 6.0 以降 5.5 以降
ハードウェア バージョン 19 18 17 15 14 13 11 10
最大メモリ (GB) 24560 24560 6128 6128 6128 6128 4080 1011
論理プロセッサの最大数 768 768 256 256 128 128 128 64
ソケットあたりのコア (仮想 CPU) の最大数 64 64 64 64 64 64 64 64
SCSI コントローラの最大数 4 4 4 4 4 4 4 4
Bus Logic コントローラ Y Y Y Y Y Y Y Y
LSI Logic コントローラ Y Y Y Y Y Y Y Y
LSI Logic SAS コントローラ Y Y Y Y Y Y Y Y
VMware 準仮想化コントローラ Y Y Y Y Y Y Y Y
SATA コントローラ 4 4 4 4 4 4 4 4
NVMe コントローラ 4 4 4 4 4 4 N N
仮想 SCSI ディスク Y Y Y Y Y Y Y Y
SCSI パススルー Y Y Y Y Y Y Y Y
SCSI ホット アドのサポート Y Y Y Y Y Y Y Y
IDE ノード Y Y Y Y Y Y Y Y
仮想 IDE ディスク Y Y Y Y Y Y Y Y
仮想 IDE CD-ROM Y Y Y Y Y Y Y Y
IDE ホット アドのサポート N N N N N N N N
最大 NIC 10 10 10 10 10 10 10 10
PCNet32 Y Y Y Y Y Y Y Y
VMXNet Y Y Y Y Y Y Y Y
VMXNet2 Y Y Y Y Y Y Y Y
VMXNet3 Y Y Y Y Y Y Y Y
E1000 Y Y Y Y Y Y Y Y
E1000e Y Y Y Y Y Y Y Y
USB 1.x および 2.0 Y Y Y Y Y Y Y Y
USB 3.1 SuperSpeed Y Y Y Y Y Y Y Y
USB 3.1 SuperSpeedPlus Y Y Y N N N N N
最大ビデオ メモリ (MB) 256 256 128 128 128 128 128 512
最大 3D グラフィック メモリ (GB) 8 8 4 2 2 2 2 N
SVGA ディスプレイ 10 10 10 10 10 10 10 10
SVGA 3D ハードウェア アクセラレーション Y Y Y Y Y Y Y Y
VMCI Y Y Y Y Y Y Y Y
PCI パススルー 16 16 16 16 16 16 16 6
動的な直接パス Y Y Y N N N N N
PCI ホット アドのサポート Y Y Y Y Y Y Y Y
仮想プレシジョン クロック デバイス Y Y Y N N N N N
仮想ウォッチドッグ タイマー デバイス Y Y Y N N N N N
仮想 SGX デバイス Y Y Y N N N N N
ネストされた HV のサポート Y Y Y Y Y Y Y Y
vPMC のサポート Y Y Y Y Y Y Y Y
シリアル ポート 32 32 32 32 32 32 32 4
パラレル ポート 3 3 3 3 3 3 3 3
フロッピー デバイス 2 2 2 2 2 2 2 2
PVRDMA 10 1 1 1 1 1 0 0
PVRDMA ネイティブ エンドポイント(vMotion を使用しない) Y Y N N N N N N
PVRDMA ネイティブ エンドポイント(vMotion を使用) Y N N N N N N N
NVDIMM コントローラ 1 1 1 1 1 N N N
NVDIMM デバイス 64 64 64 64 64 N N N
仮想 I/O MMU Y Y Y Y Y N N N
仮想 TPM Y Y Y Y Y N N N
Microsoft VBS Y Y Y Y Y N N N
Direct3D 10.1 Y Y Y N N N N N
Direct3D 11.0 Y N N N N N N N
AMD SEV-ES Y Y N N N N N N

この表を見ればわかる通り、新しい機能を使いたい場合は、それに対応した仮想ハードウエアにアップグレードしなければならないことがわかります。

ということは、仮想ハードウエアのアップグレードとともに、VMware Tools もそれに対応したバージョンにする必要があるということですね。

古い仮想ハードウエアと VMware Tools のままでも、新しい vSPhere では動かすことが可能なように互換性がとられていますが、新しい vSphere の新しい機能や改善された機能のメリットを享受するためには、VMware Tools と仮想ハードウエアは vSphere のバージョンに合うものにしておきたいですね。