仮想ハードウエアバージョン
IT の世界から半年離れていましたが、最近また IT 関係のことを始めたのでブログの記事も書いてみました。
仮想マシンのハードウエアバージョンとは
VMware の仮想マシンを使うときに気になることの一つに想マシンのハードウエアバージョンがあります。このバージョンは現在 20 まで登場していますが、どの仮想ハードウエアバージョンがどの VMware プロダクトに該当するのかがなかなかわかりにくいです。今は KB1003746 として公開されているので悩むことはなくなりましたが、それでもどのバージョンにしたらよいのかがわかりにくいのでまとめてみました。
仮想ハードウエアバージョンごとのプロダクト
バージョン 1 から バージョン 20 までは、以下のプロダクトに対応しています。現在ではバージョン 1 および バージョン 2 は VMware の情報から削除されていますが、それも含めて記載してみました。vSphere と Workstation Pro / Player で仮想マシンが相互にないバージョンがあるのは、仮想マシンの拡張の違いによるものです。
仮想ハードウエアバージョン | vSphere ESXi | Workstation Pro | Workstation Player | Fusion | Server / GSX Server | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
20 | ESXi 8.0 | Workstation Pro 22H2 Workstation Pro 17 |
||||
19 | ESXi 7.0 U2 (7.0.2) | |||||
18 | ESXi 7.0 U1 (7.0.1) | Workstation Pro 16.x | Workstation Player 16.x | Fusion 12.x | ||
17 | ESXi 7.0 | |||||
16 | Workstation Pro 15.x | Workstation Player 15.x | Fusion 11.x | |||
15 | ESXi 6.9.1, 6.8.7, 6.7 U2 | |||||
14 | ESXi 6.7 | Workstation Pro 14.x | Workstation Player 14.x | Fusion 10.x | ||
13 | ESXi 6.5 | |||||
12 | Workstation Pro 12.x | Workstation Player 12.x | Fusion 8.x | |||
11 | ESXi 6.0 | Workstation 11.x | Player 7.x | Fusion 7.x | ||
10 | ESXi 5.5 | Workstation 10.x | Player 6.x | Fusion 6.x | ||
9 | ESXi 5.1 | Workstation 9.x | Player 5.x | Fusion 5.x | ||
8 | ESXi 5.0 | Workstation 8.x | Player 4.x | Fusion 4.x | ||
7 | ESXi/ESX 4.x | Workstation 7.x, 6.5.x | Player 3.x | Fusion 3.x, 2.x | Server 2.x | |
6 | Workstation 6.0.x | |||||
5 | ESX Server 3.x, ESX 3.5 / ESXi 3.5 |
Player 2.x | Fusion 1.x | ACE 2.x | ||
4 | Workstation 5.x | Player 1.x | Server 1.x | ACE 1.x | ||
3 | Workstation 4.x | GSX Server 3.x | Lab Manager 2.x | |||
2 | ESX Server 2.x | GSX Server 2.x | ||||
1 |
ESX Server 1.x | VMware 2.0 for Linux, VMware 2.0 for Windows NT and 2000 | GSX Server 1.x | |||
1 |
VMware 1.1 for Linux, VMware 1.0 for Windows NT and 2000 |
※1:仮想ハードウエアバージョンの記述がないが便宜上 1とした
※2:仮想ハードウエアの拡張を config.version で吸収しようとしている
仮想ハードウエアのバージョンは新しいプロダクトが出てくると変わっていきますので、最新の情報は以下の KB1003746 を参照して確認してください。
それから今は殆どないと思いますが、仮想ハードウエアバージョン 12 は Workstation / Player / Fusion 専用のバージョンのため、vSphere 環境にそのまま持っていくことができません。Workstation 12 / Player 12 / Fusion 8 で作った仮想マシンは 12 で出来ていますので、もしその仮想マシンを移行する場合には注意が必要です。また 仮想ハードウエアバージョン 5 は現在は欠番です。仮想ハードウエアバージョンでは対応するゲスト OS も変わっており、例えば仮想ハードウエアバージョン 17~19は Windows 10 までですが、仮想ハードウエア 20 は WIndows 12 まで対応になっています。このように仮想ハードウエアバージョンは単純にハードウエアの変更だけではなく、OS のサポートによって変わってくるようになっています。
ちなみにいくつかの config.version は以下の通りですが、見ての通り既に Workstation 4.x から config.version は 8 になっていて、現在の vSphere 8 ESXi 8 でもここは変わりません。つまり、現在は config.version は使っていないと思われます。
config.version | Workstation | ESX / ESXi | GSX / Server |
---|---|---|---|
8 | VMware Workstation 5.x | ESX Server 3.x 以降 | GSX Server 3.2 |
7 | VMware Workstation 4.x | GSX Server 3.x | |
6 | VMware Workstation 3.x | ESX Server 1.5 以降 ESX Server 2.x (ESX Server 2.5.x含む) |
GSX Server 2.x |
5 | |||
4 | |||
3 | |||
2 | VMware 2.0 for Windows NT and 2000 VMware 2.0 for Linux and 2000 (Workstation 2) |
GSX Server 1.x ? | |
1 | VMware 1.0 for Windows NT and 2000 VMware 1.1 for Linux and 2000 |
ESX Server 1.0 または ESX Server 1.1 では、config.version の記述無し。
VMware Workstation 最初のプロダクト
VMware 1.0 for Windows NT and 2000 では、仮想マシンを直接読み込んで起動することができませんでした。毎回仮想マシンを指定して読み込み、その後起動という手順が必要でした。
そして、仮想マシンのある場所も「C:\Program Files\VMware\VMs」でした。今では考えられない場所に仮想マシンを作っていたことになります。
.vmx の情報
guestOs = "WindowsNT"
ide0:0.present = TRUE
ide0:0.fileName = "C:\Program Files\VMware\VMs\Other\WindowsNT.dsk"
ide0:0.deviceType = "ata-hardDisk"
ide0:0.mode = "Persistent"
floppy0.present = TRUE
floppy0.fileName = "A:"
floppy0.startConnected = TRUE
memsize = 32
hard-disk.enableIBR = FALSE
とてもシンプルですね。そして .VMX を見るとわかるのですが、仮想マシンバージョンは書かれていません。最初は仮想マシンバージョンという概念が無く、機能拡張時に後から追加されています。この仮想マシン、最新の VMware Workstation Pro 2022H2 でh開こうとしましたが、開くことすらできませんでした。
VMware Workstation の 2番目のプロダクト
VMware 2.0 for Windows NT and 2000 は 1.0とは大きく異なるところはありません。
.vmx の情報
config.version = 2
guestOS = "win2000"
pciSvgaDynamic = TRUE
ide0:0.present = TRUE
ide0:0.fileName = "C:\Program Files\VMware\VMs\Win2000\Win2000.dsk"
ide0:0.deviceType = "ata-hardDisk"
ide0:0.mode = "Persistent"
floppy0.present = TRUE
floppy0.fileName = "A:"
floppy0.startConnected = TRUE
memsize = 64
hard-disk.enableIBR = FALSE
.vmx の中身を見ると、このバージョンから初めて config.version が出てきていることがわかります。これは .vmx のバージョンであって、仮想ハードウエアの拡張を config.version パラメーターで吸収しようとしており、まだ仮想ハードウエアバージョンは出てきていません。
現在の VMware Workstation に近くなったのは
現在の VMware Workstation Pro の画面に近くなったのは 3.0 からです。
.vmx の情報
config.version = "6"
virtualHW.version = 2
displayName = "Windows XP Home Edition"
guestOS = "winXPHome"
ide0:0.present = "true"
ide0:0.fileName = "D:\My Documents\My Virtual Machines\Windows XP Home Edition\Windows XP Home Edition.vmdk"
ide1:0.present = "true"
ide1:0.deviceType = "atapi-cdrom"
ide1:0.fileName = "auto detect"
memsize = "64"
ethernet0.present = "true"
このバージョンではから初めて仮想ハードウエアバージョンの考え方が登場しています。今までの config.version 無しと config.version = 2 の仮想マシンは仮想マシンバージョン 1 相当としてまとめて、Workstation 3.x の仮想マシンはバージョン 2 になりました。config.version はここまでに登場したプロダクトに対し付与されてきていますので、いきなり 6 になっています。(さて config.version 1 ~ 5 はどれでしょう。探してみてください。)
古い人が VMware プロダクトを VMware というのは何故?
ここで昔の VMware Workstation が「VMware for xxxxxx」と言われていたのを見ていただくとわかるのですが、最初のころは会社名もプロダクトも両方とも VMware と呼んでいました。そのため、VMware vSphere のような仮想マシンを使うプロダクトのことを「VMware」と呼んでしまう人も多いんですね。この辺りは VMware 製品=仮想化プラットホーム=プロダクト名は「VMware」と覚えている人たちが引退しないと変わっていかないかもしれません。