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VMware 製品のライセンスモデル販売終了のアナウンスが KB96168 からブログ記事に移行しました

2024年1月15日に KB 96168 で公開された永続ライセンス(パーペチュアルライセンス)の販売終了アナウンスが、2024年1月22日にブログに移行されました。

blogs.vmware.com

どのプロダクトの永続ライセンスが終了してどこに移行すればいいの?

1月22日に公開されたブログの記事では、先の  KB 96168 より詳細に情報が出るようになりました。これは、KB だと一度公開されるとその後の修正が出来ないのに対しブログであれば情報を更新していくことが出来るので、より最新で正しい情報を提供できるからブログに移行したものと考えられます。

現在公開されている情報では、利用しているプロダクトに対してどこに移行すればよいかもわかるようになっています。移行先が明示されている対象サブスクリプションモデルについては、該当するプロダクトを太字にしてみました。それ以外はなんらかのサブスクリプションで提供されているプロダクトに移行する必要があります。(表を Excel にコピーしてみると見やすいです。)

製品 (すべてのエディションと価格設定基準)

今後バンドルが入手可能か (可/不可)

バンドル移行先選択対象

VMware vSphere Enterprise Plus VCF, VVF
VMware vSphere+ 不可

VMware vSphere Enterprise 不可
VMware vSphere Standard (excluding subscription) 不可
VMware vSphere ROBO 不可
VMware vSphere Scale Out 不可
VMware vSphere Desktop 不可
VMware vSphere Acceleration Kits 不可
VMware vSphere Essentials Kit 不可
VMware vSphere Essentials Plus Kit (excluding new subscription offering) Replaced with new vSphere Essentials
VMware vSphere Starter/Foundation 不可
VMware vSphere with Operations Management 不可
VMware vSphere Basic 不可
VMware vSphere Advanced 不可
VMware vSphere Storage Appliance 不可
VMware vSphere Hypervisor 不可
VMware Cloud Foundation (excluding new VCF subscription offering) 不可
VMware Cloud Foundation for VDI 不可
VMware Cloud Foundation for ROBO 不可  
VMware SDDC Manager VCF
VMware vCenter Standard 不可
VMware vCenter Foundation 不可
VMware vSAN VCF, VFF
VMware vSAN ROBO 不可
VMware vSAN Desktop 不可
VMware HCI Kit 不可
VMware Site Recovery Manager 追加サービス
VMware Cloud Editions/ Cloud Packs 不可 VCF, VVFで代替
VMware vCloud Suite

不可

VMware Aria Suite (formerly vRealize Suite) VCF
VMware Aria Universal Suite (formerly vRealize Cloud Universal) 不可
VMware Aria Suite Term VCF
VMware Aria Operations for Networks (formerly vRealize Network Insight) VCF
VMware Aria Operations for Networks Universal (formerly vRealize Network Insight Universal) 不可
VMware vRealize Network Insight ROBO 不可
VMware Aria Operations for Logs (formerly vRealize Log Insight) VCF
VMware vRealize Operations Application Monitoring Add-On 不可
VMware Aria Operations VCF, VFF
VMware Aria Automation VCF
VMware Aria Automation for Secure Hosts add-on (formerly SaltStack SecOps) Tanzu GuardRails Add-On
VMware vRealize Automation SaltStack SecOps add-on Tanzu GuardRails Add-On
VMware Aria Operations for Integrations (formerly vRealize True Visibility Suite) 不可  -
VMware Cloud Director VCF
Cloud Director Service VCF
VMware NSX VCF
VMware NSX for Desktop 不可  -
VMware NSX ROBO 不可  -
VMware NSX Distributed Firewall VMware Firewall 追加機能で提供
VMware NSX Gateway Firewall VMware Firewall 追加機能で提供
VMware NSX Threat Prevention to Distributed Firewall VMware Advanced Threat Protection追加機能で提供
VMware NSX Threat Prevention to Gateway Firewall VMware Advanced Threat Protection追加機能で提供
VMware NSX Advanced Threat Prevention to Distributed Firewall VMware Advanced Threat Protection追加機能で提供
VMware NSX Advanced Threat Prevention to Gateway Firewall VMware Advanced Threat Protection追加機能で提供
VMware NSX Advanced Load Balancer (excluding Subscription, SaaS) VMware Load Balancer追加機能で提供
VMware Container Networking Enterprise with Antrea VCF
VMware HCX VCF
VMware HCX+ 不可  -

サブスクリプション型に移行先が無いプロダクトは見ての通りメインのプロダクトの派生型のものが殆どなので、このように表でまとまっているのを見る限りあまり問題はないように見えます。要するに安く購入できたセットメニューをばらばらのものにするか、より上位のセットメニューを購入するかに変るだけということですね。

今回のブログでより明確になったこと

この2024年1月22日公開のブログにより明確になったことは、VMwareとしては既存のVMwareのプロダクトは「VMware Cloud Foundation (VCF) または VMware vSphere Foundation (VVF) の一部としてのみ提供され、単体購入不可。」に変ったのがわかります。つまり、VCF または VVF を購入しない限り他の機能は個別には使えなくなったということですね。

VMware Cloud Foundation の守備範囲は?

VMware Cloud Foundation では、新しいサービスを含む完全な Aria 管理およびオーケストレーション スイートを備えた vSphere、vSAN、NSX が利用できるプラットフォームになります。つまりフルスタック インフラストラクチャを利用するためには、VCF ライセンスを購入する必要があります。

VMware vSphere Foundation の守備範囲は?

VMware vSphere Foundation では、フルスタック インフラストラクチャは必要なく、今までの VMware vSphere 環境を使いたい場合のライセンスです。 VVF には、標準機能として Aria Operations および Aria Operations for Logs に加え Tanzu Kubernetes Grid が含まれているので、運用管理なども含め VMware プロダクトで一通りまとめることができます。

VMware vSphere Standard の守備範囲は?

VMware vSphere Standard では、基本的なハードウェアの統合だけをしたい場合に使えるサブスクリプションで、追加機能を使うことが出来ません。

VMware  vSphere Essentials Plus Kit の守備範囲は?

VMware vSphere Essentials Plus Kit  は、今までと同様に極小規模のハードウェアの統合だけをしたい場合に使えるサブスクリプションで、追加機能を使うことが出来ません。

VMware アドオンサービスが使えるのは?

VMware アドオン サービスは、VMware vSphere Foundation および VMware Cloud Foundation でのみ利用可能です。VMware vSphere Standard や VMware  vSphere Essentials Plus Kit では利用できないので、VMware アドオンサービス の機能を使いたい場合には、VCF または VVFサブスクリプションを購入する必要があります。

気になる Bring Your Own License

このブログの中で新たに言及されている話として、VMware by Broadcom は VCF サブスクリプションを購入していれば、それを VMware 検証済みのハイブリッド クラウド エンドポイントおよび自社のオンプレミス データで利用可能にする Bring Your Own License も提供予定となっています。つまりクラウドベンダーが用意するベアメタルサーバーの上に BYOL でライセンスを持ち込み VMware vSphere を稼働させることが出来るということです。オンプレミスハードウエアの管理をやめたい場合には、実は便利なライセンスになりそうですね。

サブスクリプションの購入先は?

VMwareBroadcom に買収される前のライセンス購入先は、ハードウエアに添付されていてハードウエアに紐づいている OEM「バンドル」、ハードウエアと一緒に買えるけれどハードウエアには紐づかない OEM「アンバンドル」、ネットワールド、SB C&S、ダイワボウの3社のディストリビューター経由、または VMware の Partner Program に参加していてライセンスを販売できるレベルのパートナー会社がありましたが、このパートナー関連の仕組みが 2月5日より Broadcom の Partner Program に切り替わり、それまでの VMware Partner は2月4日で一度パートナーとしての立場が消滅することになっています。そして新しい Broadcom の Partner Program にはどの会社が参加できるのかは今後決まってくることなので、今まで永続ライセンスを購入していた会社が2月5日以降も永続ライセンスから変わった VMwareサブスクリプションを継続販売できるとは限らないのではないかと感じています。この辺りまだまだ情報が少ないので、心配な場合は確認されることをお勧めします。

※一部の VMware Partner には新しいパートナープログラムへの招待状が届いているようなので、取引しているパートナーに継続して購入可能かを確認されるのが良いと思います。