EUC が売却決定しました
EUC 部門の売却決定
昨日 2024年2月26日に、Broadcom は EUC 部門の売却を発表しました。
以前からいろいろと言われていたことなので情報的にはインパクトは無いのですが、実際に VMware の EUC プロダクトを利用している企業や団体には大きな影響がある話になります。
EUC 売却でどんな影響があるのか
上記のブログでは「今年度後半までに売却は完了するけれど、それまでの間はEUC 部門では通常通りの業務を行っており、顧客とパートナーの継続性に重点を置いて買収の準備を続けていきます。」と書かれており、Broadcom の会計年度の後半のエンドの10月末までは現状のまま行くと内容からは読み取れます。ただ、それ以降は KKR に経営権が移行するのでそこから先のことは書かれていません。そして KKR についてどういう会社なのかが描かれているだけで、KKR 売却後の EUC 自体の今後のことには一切触れられていません。会社が異なるので触れることが出来ないのは理解できるのですが、今 EUC プロダクトを使っているユーザーにとっては不安の種の一つになるかと感じました。
特に日本の場合は金融機関などで大規模に VMware の EUC 製品(Horizon など)を導入していたりするので、それらの会社でどのような動きになるのかが気になります。
jp.togetherweinnovate.vmware.com
また事例としてもいくつも紹介されているので、これらのユーザーでも今後の EUC 製品の動きに対してアクションを起こすのではないかなと感じます。
jp.togetherweinnovate.vmware.com
その他、EUC 製品の中の Horizon を使用したクラウドサービスを展開しているユーザーやクラウドベンダーもあり、これらも影響を受けるのではないかなと感じています。AWS、Azure、Google Cloud、Dell のクラウド上で Horizon を動かしているユーザーにも、影響が出てくるのではないかなと感じます。
EUC 売却に対して当面はどうすればよいか
EUC 売却が発表されてもどのようになるかはまだ見えていません。そのため、今できることは現状の EUC プロダクトを使い続けつつ、別の選択肢も検討を開始するということになると思います。KKR に移管されてその後も同じように使えるしコストもそれほど変わらないのであれば、慣れ親しんでいる VMware の EUC プロダクトから離れる必要は無いですし、また VDI の仕組みからデバイス管理も以前より進んだ物理PCに戻る、ゼロトラストを意識したシステムに移行を検討していたのであればそちらに軸足を移していくなど、選択肢はいろいろとあるかと思います。なので、今回の買収確定であたふたすることなく、今後の自分達のところでは EUC の部分そして業務で利用するシステムの利用をどのようにしていくのかを考えて、道筋を決めていけばよいと思います。
コロナ禍でリモート勤務が一般的になるとともに、そこで VDI をスタートしたユーザーも多いかと思いますが、この VMware が EUC 部門を売却するというタイミングは、ちょうどコロナ禍で導入した VDI 環境を見直す時期に差し掛かっているのではと思いますので、これからの業務での EUC のかかわり方を見直しする、良い機会かなと思いました。