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ESXi Arm Edition version 1.11 — October 26, 2022 が登場していた・・・

ESXi Arm Edition は vSphere 7.0 0 ベースでそれ以上進化しないのでチェックがおろそかになっていましたが、久しぶりに見てみたところ、ESXi Arm Edition version 1.11 — October 26, 2022、Build 20693597 になっていました。でも、相変わらずvSphere 7.0 0 ベース。。。。。

ESXi Arm Edition version 1.11

 

 


flings.vmware.com

インストールは

チェックしていなかった 1.10 からアップグレードインストールができるようになっていました。フレッシュインストール不要になるのでようやく楽になります。ただ vCenter Server は相変わらず vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1 は使えますが、FT や HA を使いたい、または DRS を使う場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c または 7.0.0d が必須になるため、vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib または vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib を組み込んだ vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c (Build 16620007) または7.0.0d (Build 16749653) が必要になります。vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib または vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib の組み込み方はドキュメント ESXi-Arm-Fling-Doc.pdf の27 ページからある「10. Enabling vSphere HA」を参照して行ってください。

既に Intel プラットホームの方は vSphere 8 になっているので、ESXi Arm Edition もそろそろ vSphere 8 に移行してもらいたいところですが、それよりも前に vSphere 7 の Update 1 ~ Update 3 までにも対応できていない時点で今は無理なんだろうなぁと感じています。私が ESXi Arm Edition 熱冷めてチェックを失念するようになったのも、vSphere の Update に全然追いついていないということが原因でもあります。 

なにが変わったの?

1.8 より後の変更点をまとめて記載します。以下が新しく変わった点です。すべて修正や改善のみです。

2022 年 3 月 31 日 - v1.9 ビルド 19546333 (VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-19546333.aarch64.iso)

  • このバージョンはアップグレードインストール不可。新規インストールのみサポートなのは 1.8 までと同じで、フレッシュインストール時に「Preserve VMFS」オプションを選択すると、あとで既存の仮想マシンの再登録が可能。
  • Marvell Octeon TX2 CN92xx/CN93xx/CN95xx/CN96xx/CN98xx プラットフォームの実験的サポート
  • PL011 UART のサポートの改善
  • ID_AA64ISAR2_EL2 の VMM サポート、新しい Linux カーネルでの VM クラッシュの修正 (>= 5.17-rc2)
  • PCIe 拡張割り当てのサポート
  • PCIe のロギングの改善
  • MSI 仮想化の改善      

 

2022 年 7 月 20 日 - v1.10 ビルド 20133114 (VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-20133114.aarch64.iso)

  • v1.9 以前の ESXi-Arm 1.x Fling リリースからのアップグレードをサポート
  • Arm DEN0115 のサポート (ファームウェア インターフェイス経由の PCIe config  スペースへのアクセス、Raspberry Pi での検証済み)
  • Ampere eMAG の L3 キャッシュ情報のレポート
  • 非キャッシュ coherent DMA サポート改善(マイナーな改善)
  • Raspberry Pi NIC (genet) 統計
  • GOS: VNXNET3 と PVSCSI を freebsd12 のデフォルトとして使用
  • RK3566 SBC (Quartz64 など) のサポート
    • PCIe サポート (現時点では NVMe は未サポート)
    • EQOS (オンボード) NIC のサポート
  • Intel igbn NIC ドライバーの修正と安定性を向上
  • VM からの未知の sys_reg(3, 0, 0, x, y) アクセスに対してゼロを返すように修正
  • テレメトリ レポート - Fling が実行されているシステムの種類に関する統計を収集し評価する範囲を拡大
    • 収集対象は次のとおり(PII は収集されない)
      • CPU 情報: コア数、NUMA、メーカーなど
      • ファームウェア情報: ベンダー、バージョン
      • プラットフォーム情報: ベンダー、製品、UUID、PCIバイス リスト
      • ESXi-Arm 情報: バージョン、パッチ レベル、製品ビルド
      • /bin/telemetry スクリプトは、すべての起動時と毎週土曜日の 00:00 に実行される

 

2022 年 10 月 26 日 - v1.11 ビルド 20693597 (VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-20693597.aarch64.iso)

  • v1.9 以前の ESXi-Arm 1.x Fling リリースからのアップグレードをサポート
  • ビルトイン ESX サービス用の CPU アクセラレーション暗号 (NEON、Armv8 暗号化拡張機能など) をサポート
  • macOS (または任意の OS 上の最新のターミナル) の Terminal.app が esxtop を適切にレンダリングされるよう ESXi xterm-256color terminfo を修正
  • Apple シリコンの VMware Fusion で使用されるバージョンと一致するように仮想 UEFI ROM を修正・更新
  • 仮想 HTTP ブートのサポート
  • 仮想 TPM、仮想セキュア ブート、および暗号化された VM のサポート
  • 物理 GICv4 システムのサポート
  • Windows 用の VMware Tools を追加
  • ixgben ドライバーの問題を修正
  • 既知の問題点:
    • AHCI ディスクを使用すると、Ampere Altra ベースのシステムで PSOD が発生する場合がある
    • Ubuntu 22.04 LTS インストーラーのグラフィックが機能しない(解決策:Ubuntu 22.10 を使用する)
    • Windows SVGA ドライバーが機能しないため、svgaバイスを使用する環境にはインストールしない (または、インストール後にセーフ モードを使用し svgaバイスをアンインストールする)

 ダウンロード情報

ダウンロードには My VMware アカウントが必要です。My VMware アカウントは個人でも作成できるので、リンクから My VMware アカウントを作成の後に、

ESXi Arm Edition | VMware Flings からイメージをダウンロードしてください。なお、リリースノートは以下の URL で見ることができます。またイメージ以外のドキュメントは Flings のページからダウンロードします。多くのドキュメントがありますが使用するハードウエアに合わせたものだけダウンロードすれば問題ありません。私の場合は Raspberry Pi 4 を使うのでイメージダウンロードページから VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-20693597.aarch64.iso, vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib, vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib の 3つをダウンロードし、あとは Flings のページから ESXi-Arm-Fling-Doc.pdfFling-on-Raspberry-Pi.pdf だけをダウンロードしています。またイメージも vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib, vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib は新しくなっていませんので、以前ダウンロードしている場合はこちらはダウンロード不要です。

ESXi Arm Edition version 1.11 — October 26, 2022、Build 20693597

flings.vmware.com

この記事から読み始めた方のための補助情報

ESXi Arm Edition は単体でも使うことができますが、vCenter Server 配下でも

使うことができます。使用できる vCenter Server には以下の要件があります。

  • ESXi-Arm ホストの管理には、vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 以降が必要です。
  • ESXi-Arm ホストで vSphere HA および vSphere FT を有効にしたいときは、vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c または 7.0.0d を使います。また、vSphere DRS が必要な場合は VCSA7.0.0c または 7.0.0d を使用するとともに、VCSA7.0c の場合は vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib を、VCSA7.0d の場合は vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib をダウンロードし適用する必要があります。
    ※ vCSA によって適用する vib が異なりますので注意してください。
    ※vCSA 7.0.0c / 7.0.0d は VMware サイトの製品のダウンロードからダウンロードできます。
  • vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1以降を使用することは可能ですが、いくつかの制限があります。
    • vSphere DRSは機能が動作しません。
    • vCLS(vCenter Cluster Services)対策が必要です。(現在の vCenter Server Appliance は x86 ベースの仮想マシンのため、vCLS により分散コントロールプレーンサービスをESXiホストにデプロイしようとしてもできないため、ファイルの削除処理が走るとともに再度のデプロイ処理も走るため、延々と処理が続いているような状態になります。)

VCSA 7.0 U1 以降を使う場合は

どうしても VCSA 7.0.0c または VCSA 7.0.0d が入手できず VCSA 7.0 U1 以降を使わざるを得ない場合は、以下の KB を参考にして vCLS を無効にしてください。これにより、vCLS の動作が停止してメッセージも出なくなります。

kb.vmware.com

この vCLS 停止は既存の x86 の vSphere 7.0x でも有効なので、vCLS を使用しない場合はこの設定をするのもよいかもしれません。

vCentr Server Appliance は x86 ベースしかないので、ESXi Arm Edition 以外に最低 1台の x86 ESXi が必要になります。でも、それを準備すれば安価に vSAN まで使える vSphere 環境が得られるのは、家ラボやっている人には朗報です。ただし、私のように Raspberry Pi 4 で環境を作っている場合はそのホストのメモリーが 8GB しかないので、できることは最低限になります。例えば vSphere の資格を取るための勉強用としては良いかもしれませんが、本格的に vSphere ノウハウを習得するために家ラボを作る場合には、やはり x86 ホストは必要になるかなと思います。

どんなことに使えるの

もともと Raspberry Pi 4 は最大 8GB しかメモリーがありません。そのため、Raspberry Pi 4 の上で Arm ベースの仮想マシンは数動かせません。あくまでも vSphere 7 をテストしてみたい、または ARM 版の ESXi を体験したいなどの用途がメインになると思います。あとは、VMware の資格を取るための勉強の環境という使い方もあるでしょう。本番としては使うなとも書かれていますので、あくまでも評価という使い方になります。

過去の ESXi Arm Edition の記事

今までの記事のリストがここで見られますので、併せてご覧ください。

imaisato.hatenablog.jp