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ESXi Arm Edition version 1.7 — December 07, 2021 の登場

また 2 か月ぶりに、ESXi Arm Edition の新しいバージョンの登場です。今回は  version 1.7 で、今回もまだ vSphere 7.0 0 ベースで、Build 1902576 す。

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ESXi Arm Edition version 1.7

flings.vmware.com

インストールは

前回の version 1.6 までもそうでしたが、今回もフレッシュインストールのみがサポートされます。インストールの際に「Preserve VMFS」を選択すれば、仮想マシンは消えることは無いのでインストール後にデータストアブラウザを開いて仮想マシンの再登録が可能です。x86 の ESXi とは異なりアップグレードはできません。このアップグレード必須というところはWebページの Requirements やドキュメントにも書かれていないのですが、CHANGELOG に記載があります。このあたりは flings なのでそこは我慢。

また、vCenter Server についても vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1 は使えますが、FT や HA を使いたい、または DRS を使う場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c または 7.0.0d が必須になります。この vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c (Build 16620007) または7.0.0d (Build 16749653) を使う場合は、別途 vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib または vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib を組み込む必要があります。組み込み方はドキュメント ESXi-Arm-Fling-Doc.pdf の27 ページからある「10. Enabling vSphere HA」を参照して行ってください。

なにが変わったの?

今回はとても小規模な修正にとどまっています。以下が新しく変わった点です。新しいハードウエアをサポートしたことがメインで、特に機能の追加や変更はありません。追加された新しいハードウエアのサポートは以下の通りです。

  • Pine64 Quartz64 ボードの実験的サポート
  • VMware SVGAドライバーのサポート
    (AS 上の Fusion と互換性あり、Fedora F35の黒い画面の問題は修正済)
  • NUMA 対応 VMM、デュアルソケット Ampere Altra マシンのパフォーマンス向上
  • IORT のないシステムの互換性の向上
  • Debian 10 や Photon 4 などの新しい Linux カーネルゲスト OS のパフォーマンスの問題を修正
  • A55 対応
  • MM / VMK での TLBI 処理の改善
  • アトミックオペレーションの競合の改善

私のようにラズパイ使いの人には特に影響はありません。

 ダウンロード情報

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ESXi for ARM 7.0.0 Build 1902576

ダウンロードには My VMware アカウントが必要です。My VMware アカウントは個人でも作成できるので、リンクから My VMware アカウントを作成の後に、

ESXi Arm Edition | VMware Flings からイメージをダウンロードしてください。

この記事から読み始めた方のための補助情報

ESXi Arm Edition は単体でも使うことができますが、vCenter Server 配下でも

使うことができます。使用できる vCenter Server には以下の要件があります。

  • ESXi-Arm ホストの管理には、vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 以降が必要です。
  • ESXi-Arm ホストで vSphere HA および vSphere FT を有効にしたいときは、vCenter Server Appliance(VCSA)7.0.0c または 7.0.0d を使います。また、vSphere DRS が必要な場合は VCSA7.0.0c または 7.0.0d を使用するとともに、VCSA7.0c の場合は vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vib を、VCSA7.0d の場合は vmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vib をダウンロードし適用する必要があります。
    ※ vCSA によって適用する vib が異なりますので注意してください。
    ※vCSA 7.0.0c / 7.0.0d は VMware サイトの製品のダウンロードからダウンロードできます。
  • vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1以降を使用することは可能ですが、いくつかの制限があります。
    • vSphere DRSは機能が動作しません。
    • vCLS(vCenter Cluster Services)対策が必要です。(現在の vCenter Server Appliance は x86 ベースの仮想マシンのため、vCLS により分散コントロールプレーンサービスをESXiホストにデプロイしようとしてもできないため、ファイルの削除処理が走るとともに再度のデプロイ処理も走るため、延々と処理が続いているような状態になります。)

VCSA 7.0 U1 以降を使う場合は

どうしても VCSA 7.0.0c または VCSA 7.0.0d が入手できず VCSA 7.0 U1 以降を使わざるを得ない場合は、以下の KB を参考にして vCLS を無効にしてください。これにより、vCLS の動作が停止してメッセージも出なくなります。

kb.vmware.com

この vCLS 停止は既存の x86 の vSphere 7.0x でも有効なので、vCLS を使用しない場合はこの設定をするのもよいかもしれません。

vCentr Server Appliance は x86 ベースしかないので、ESXi Arm Edition 以外に最低 1台の x86 ESXi が必要になります。でも、それを準備すれば安価に vSAN まで使える vSphere 環境が得られるのは、家ラボやっている人には朗報です。ただし、私のように Raspberry Pi 4 で環境を作っている場合はそのホストのメモリーが 8GB しかないので、できることは最低限になります。例えば vSphere の資格を取るための勉強用としては良いかもしれませんが、本格的に vSphere ノウハウを習得するために家ラボを作る場合には、やはり x86 ホストは必要になるかなと思います。

どんなことに使えるの

もともと Raspberry Pi 4 は最大 8GB しかメモリーがありません。そのため、Raspberry Pi 4 の上で Arm ベースの仮想マシンは数動かせません。あくまでも vSphere 7 をテストしてみたい、または ARM 版の ESXi を体験したいなどの用途がメインになると思います。あとは、VMware の資格を取るための勉強の環境という使い方もあるでしょう。本番としては使うなとも書かれていますので、あくまでも評価という使い方になります。

過去の ESXi Arm Edition の記事

今までの記事のリストがここで見られますので、併せてご覧ください。

imaisato.hatenablog.jp

ちょっと登壇してしゃべります

ここで『Raspberry Pi で始める vSphere 7 超入門』というのを話します。ご興味ある方はどうぞ。
ニフクラ エンジニア ミートアップ 

fujitsufjct.connpass.com