前回の version 1.4 までもそうでしたが、今回もフレッシュインストールのみがサポートされます。インストールの際に「Preserve VMFS」を選択すれば、仮想マシンは消えることは無いのでインストール後にデータストアブラウザを開いて仮想マシンの再登録が可能です。x86 の ESXi とは異なりアップグレードはできません。flings なのでそこは我慢。
また、vCenter Server についても vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1 は使えますが、FT や HA を使いたい場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dが必要です。さらに、DRS を使う場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dが必須になります。この vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dを使う場合は、別途vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vibまたはvmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vibを組み込む必要があります。組み込み方はドキュメントESXi-Arm-Fling-Doc.pdfの28ページからある「10. Enabling vSphere HA」を参照して行ってください。
インターネット接続:Windows 11 Home Edition のセットアップには Microsoft のアカウントとインターネット接続が必要
と書かれている通り、結構シビア。一番大変なのはプロセッサで、第8世代以降で 2コア以上の CPU を搭載していない機種は Windows 11 にできません。また、ストレージも 64 GB 以上なので、ちょっと安物のタブレット型 PC はこの時点で対象外になってしまいます。そしてMicrosoft のアカウント、つまり PC のローカルアカウントではだめということのようです。相当ハードルが高くなっています。
チェックツール
チェックツールをインストールして実行するとすぐに結果が出ます。対象外だと、
となります。対象だと、
となり、詳細情報をクリックすると先ほどの画面の「互換性の確認」の部分が
に変わり、配信待ちになります。つまり、いずれ配信が始まれば Windows 11 が使えるようになるわけです。
物理PCしかだめなの?
ここまでなら特に VMware 関連ではないのですが、やはりWindows 11 も仮想マシンで動かしたいところ。特に Horizon などで配信するためには仮想マシンとしてインストールできるかどうかが一番気になります。そこで VMware Workstation 16 Pro / Player を使っていろいろとテストしてみました。
この画面になり失敗です。どうやらベースの PC が条件に合致していても、仮想マシン側にも対応が必要なようです。そこをクリアするためにいろいろ条件を変えて調べてみました。その結果を Windows 11 のシステムの最小要件と比較しましたが、全部クリアしていました。
どこが不足しているの?
実は Windows 11 の仕様を知っている方ならすぐにわかるのですが、先のページの「システムの最小要件」には書かれていない最低条件があります。これ、第8世代の CPU を搭載する PC ではデフォルトで機能として持っているもので、PCメーカーの Windows 10 バンドル PC であればすでに設定されているものなので問題ないことなのですが、仮想マシンで新規に作ったりするとこの設定がされていないので、結果として「このPCではWindows 11を実行できません」の結果になってしまいます。なので、仮想マシンで Windows 11 を入れられるようにするためには、この対応が仮想マシンに必要になります。
物理 PC では、Windows 10 OS 搭載 PC は随分前から TPM 2.0 モジュールが必須で搭載されるようになっています。そして最近の CPU ではこの機能を CPU 自体で実装していて、Intel の CPU なら Haswell世代および Clover Trail 世代以降、AMDでは Mullins/Beema/Carrizo 世代以降に実装されています。なので、物理 PC であれば特に問題いのですが、VMware の仮想マシンを作る際にはこの機能は古い仮想ハードウエアバージョンでは使えず、新しい仮想ハードウエアバージョンでは機能として使えるけれどデフォルトでは有効になっていないため、今回の「Windows PC 正常性チェック プログラム」ではねられてしまいます。
ここは気になるところですが、結果的には上記設定をすれば VMware Workstation Player でも動きます。ただ、 VMware Workstation Player では暗号化と Trusted Platform Module の追加ができません。なので、一度 VMware Workstation Pro で設定した仮想マシンを VMware Workstation Player で開くなどの作業が必要です。一度設定してしまえば VMware Workstation Player 側では通常の他の仮想マシンと同様に扱えるので、VMware Workstation Pro を購入して活用するなどしてみてください。
あと重要なこととして、仮想マシンの暗号化をすると OVF への出力ができなくなります。下の図のように OVF 出力がグレーアウトされるかわりに TAR へのエクスポートがメニューに出るようになります。ここ、仮想マシンを OVF でバックアップしていた人はご注意を。
前回の version 1.3 までもそうでしたが、今回もフレッシュインストールのみがサポートされます。インストールの際に「Preserve VMFS」を選択すれば、仮想マシンは消えることは無いのでインストール後にデータストアブラウザを開いて仮想マシンの再登録が可能です。x86 の ESXi とは異なりアップグレードはできません。flings なのでそこは我慢。
また、vCenter Server についても vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1 は使えますが、FT や HA を使いたい場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dが必要です。さらに、DRS を使う場合は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dが必須になります。この vCenter Server Appliance(VCSA)7.0cまたは7.0dを使う場合は、別途vmware-fdm-7.0c-16620014.arm64.vibまたはvmware-fdm-7.0d-16749671.arm64.vibを組み込む必要があります。組み込み方はドキュメントESXi-Arm-Fling-Doc.pdfの28ページからある「10. Enabling vSphere HA」を参照して行ってください。