vExpert 2025の応募が始まっています
Apply to be a vExpert 2025
今年も vExpert の応募受付が始まりました。締め切りは 2025年1月10日です。
vExpert とは
vExpert のサイトの中、「Qualifications for the vExpert Award」に書かれている通り、
VMware vExpert プログラムは、VMware コミュニティとエコシステムへの顕著な貢献に対して世界中の個人を表彰するものです。これは技術的な認定ではなく、コミュニティへの取り組みに対する表彰です。この個人賞は 2 月から 1 月までの 1 年間有効です。顧客とパートナーの従業員の両方が対象となります。過去 1 年間のさまざまなコミュニティへの貢献を評価して受賞者を選出します。
のように、VMware に個人としてどのような貢献活動をしたかによって、vExpert 対象かどうかを判断され、vExpert として適切と評価された人に対しアワードが送られて、翌年 1年間の vExpert としての活動ができるようになります。ここで重要なのは「これは技術的な認定ではなく、コミュニティへの取り組みに対する表彰です。」の部分、つまり VMware 認定資格者とは異なり、実際の貢献度に対してアワードが贈られるところが資格とは異なります。
vExpert の資格
サイトの中の「Here are several ways to qualify」と「Here’s how you can earn the vExpert Award」に書かれています。
- vExpert 賞の資格を得るには、VMware の専門知識をコミュニティと積極的に共有する必要があります。2025 年の賞では、審査員が前年の 2024 年のコンテンツを審査します。
- vExpert Awardを獲得する方法は次のとおりです
活動は、日常業務以外で完了する必要があり、2024 年以降のオリジナル作品である必要があります。2024 年以前の活動は含めないでください。
資格を得るための方法は以下に記載されています。一部のカテゴリは自動的に承認されますが、その他のカテゴリは貢献の質と量によって異なります。
これらの要件をクリアすることで、まずは vExpert の申請が出来るようになります。
vExpert に必要な要件(基準)
サイトの中の「What are Community Contributions?」に、vExpert に応募できる基準が以下のように書かれています。
コミュニティへの貢献とは、通常の職務を超えて VMware コミュニティに大きく貢献する活動です。これには、VMUG のリーダーシップまたは VMUG 運営委員会、ブログ、ポッドキャスト、セッションでの講演、ウェビナーの開催、書籍や記事の執筆または共同執筆、スクリプトの共有、ビデオの作成、Broadcom コミュニティまたはその他のコミュニティ フォーラムへの参加、 Broadcom コミュニティフォーラムのモデレートなどが含まれます。vExpert の中には 1 つのプラットフォームに重点を置く人もいれば、さまざまな活動に従事する人もいます。
ここで特に重要なのは「通常の業務を超えて VMware コミュニティに大きく貢献する活動です。」という部分で、指示を受けた仕事で VMware 製品を使っているだけではだめで、仕事ででも会社のブログに書いたり本を出したり、外部講演に登壇をしたりすれば vExpert になれる資格が出来ます。ここは 2024年までとは異なる部分で、今までは仕事でやったことは評価対象ではありませんでしたが、今年からは仕事でも通常の業務を超えて活動していれば申請対象になれるのは良いと思いました。
また具体的な例として「VMUG のリーダーシップまたは VMUG 運営委員会、ブログ、ポッドキャスト、セッションでの講演、ウェビナーの開催、書籍や記事の執筆または共同執筆、スクリプトの共有、ビデオの作成、Broadcom コミュニティまたはその他のコミュニティ フォーラムへの参加、 Broadcom コミュニティフォーラムのモデレートなどが含まれます。」とあるような行動を応募時に証明しなければなりません。私の場合は会社の仕事はクラウドマイグレーションをメインに業務を行っているのため、VMware 製品は個人の範疇と社内で時々支援程度なので、VMware の知識を還元するためにはそれなりに個人の時間を割いて学習したり検証したりする必要がありました。でも、そういう活動が vExpert になるためには必要だということになります。
vExpert の資格要件を満たすには
サイトの中の「Here are several ways to qualify」に、より具体的な例が以下のように書かれています。
- エンタープライズ/社内インフルエンサー:
組織内で VMware ソリューションに関するウェビナーやワークショップなどの知識共有セッションを主導します。組織内の他のユーザーに VMware ソフトウェアについて指導します。 - ブログ:
VMware 製品や VMware Explore などのイベントに関するブログ記事を書いて、コミュニティを啓蒙し、関与させます。 - コード共有:
Web サイト、アプリケーション、VMware {code}、または社内チャネルを介してカスタム コードまたはツールを共有します。 - イベントでの講演:
VMUG ミーティング、VMware Explore、またはその他のカンファレンスで発表し、同僚に刺激を与え、啓蒙します。 - ポッドキャスト:
VMware のトピックに関する定期的なポッドキャストを主催または共同主催し、コミュニティと貴重な洞察を共有します。 - ビデオ コンテンツ:
YouTube などのプラットフォームでチュートリアル、製品デモ、またはハウツー ビデオを作成します。 - オンライン フォーラム:
VMTN および VMware 関連の Reddit スレッドで質問に答えて、コミュニティをサポートします。 - VMUGリーダーシップ サポート:
地元の VMUG 支部のリーダーシップが受賞の検討に当たるよう支援します。
これらについては、いつどこに何をどのように行ったかを詳細に記載する必要があります。これらは世界にいるvExpertを認定するスタッフが、自国の応募者だけではなく他国の応募者に対しても評価する際に必要になります。そしてブログなどでは翻訳しながら評価していくため、評価のための重要な情報源となります。
また、以下の3つについては自動的にvExpertとして承認されます。ただし、チャレンジするとしても初めて応募する人にはハードルが高いと思います。
- 書籍の著者:
前年に出版された書籍の著者および共著者は自動的に承認されますが、申請する必要があります。 - VCDX 認定:
VCDX 認定保有者は自動的に承認されますが、申請する必要があります。 - VMUG リーダーシップ:
アクティブな VMUG リーダーは自動的に承認されますが、申請する必要があります。
vExpert への応募
サイトの画面に以下のボタンが表示されます。
このボタンをクリックし、次の画面でログインまたは新規応募ならアカウントを作成し、応募ページに移動します。既に vExpert サイトにログインしている場合は、この画面は出ずにプロフィールの確認ページに移ります。
ここからが入力画面になります。より多くのことを記載できるようになりましたので、自己アピールをしっかり書いてください。どのように入力するかは画面右上に「THE VEXPERT BEST PRACTICE GUIDE」ボタンがありますので、それをクリックして参照しながら書いていきます。
もちろん記入はすべて英語で書くことになります。どのような内容を書くのかというと、vExpert に応募できる「資格」、つまり基準を満たしている証跡を入力していきます。いくつか書く場所があるのでそれぞれに該当する部分だけ記入して行きます。該当しない部分は空白で構いません。
最初は「1. Content Creation」、なにかコンテンツを作っている場合はここに記入します。ブログを書いている人はブログの URL を、本を執筆している人はその本がわかることを書きます。YouTube などで動画配信している場合も同様です。ここは昨年までは最大 3つまでしか書けない制限がありましたが、今年はテキストでのフリー入力になっていますので枠を拡大して十分書くことができます。
次に「2. Events and Speaking」、これは個人活動としてイベントのスピーカーとして登壇したりイベントの手伝いをしをした場合にはその役割などを書いていきます。自分が勤務する会社の自社イベントや社内イベントでの登壇は仕事なので評価対象になりません。また、VMware 主催のイベントでお金を出して登壇する場合も評価対象にはなりません。あくまでも個人の活動というのが重要です。ここもテキストでフリー入力になっていますので、活動内容をしっかりアピールしながら記載していきます。
次の「3. Online communities, tools, and resources」、ここはどのオンラインコミュニティに参加して活動したかを記載します。どんな活動をしたかがわかるもの、例えばステータス レベル、ポイント、またはバッジなどがあればそれを記載します。コミュニティーに対するツールを作ったりしていた場合は、そのオンラインツール、リソース、ディレクトリ、またはリポジトリをリストアップし、自分の役割も記入します。
その次の「4. VMware Programs」はVMUG のリーダーシップ、アドバイザリー・ボード、リファレンス・プログラム、カスタマー評議会、VMware Partner Network などの VMware のプログラムで自分が担務した役割を記入する場所で、ほとんどの人は該当しないと思います。
その次の「What other activities in the last year should we take into account?」はアピールの場所です。どのようなことをしてきたのかを追加で記入します。※がついているので必須項目です。
最後の「Reference」は、この活動をするうえで支援してもらった VMware 社員がいれば、そのメールアドレスを記入します。その下の「vExpert Pro」はほとんどの人が関係ないので何もしなくて大丈夫です。
記入ができたらあとは確認をして、SAVEするだけです。これで締め切り後に審査が行われ、2024 年度の vExpert が決まります。今年の締め切りは 2025年1月10日の太平洋時 9時です。遅れないように申請しましょう。
SAVE が問題なく終了すると Application sent! が表示されます。これで申請は終了です。vExpert への申請は、期間内であれば何度も修正することができます。なので、追記したいことや修正したことがあれば、期間内に何度も直していきましょう。精査することで vExpert に認定される可能性は上がっていくと思います。申請した内容の修正や追記したい場合には、再度 APPLICATIONS ARE OPEN から入りなおして内容を直します。
vExpertの応募の方法や照明の書き方がわからない
サイトの中の最初の部分、「Applications are open for the vExpert 2025 award.」に書かれている通り、vExpert Proに連絡してアドバイスを受けることをお勧めします。vExpert Directory の [PRO] のボタンをクリックすると vExpert Pro の方が検索されますので、その中から日本の国旗の人にコンタクト取るのが良いでしょう。現在は以下の 3名の方が vExpert Pro として活動をしています。各 vExpert Pro の方の情報は、vExpert Directory でご確認ください。
Kaz IGARASHI |
Masato Narishige |
Go Watanabe |
vExpertの評価
サイトの中の「Key Dates」に書かれていますが、2025年1月10日に応募が締め切られた後、1月13日から応募者がvExpertを受賞するのに適切かどうかを応募内容を評価しながら評価者が個々に投票していきます。この評価・投票期間は2月7日に終了し、その後 2月10日から Broadcom のコンプライアンスがかけられ、それが終了してようやく 2025年の vExpert Programの対象者が決定します。
決定結果は 2025年2月21日までに発表されると書かれていますので、遅くとも2月末には自分が vExpert になれたか否かはわかるようになります。
vExpertの証明
vExpert になると以下のようなバッジを受け取れます。以前は下記のような証明書が発行されていたのですが、2023年の下記証明書も一時的に発行されたのですが、その後撤回されて Broadcom へ買収された後は発行されませんでした。また、バッジもイメージをダウンロードするのではなく、リンクで貼るような形に変っています。(このブログもリンクで貼っています。)
vExpert のバッジは
のようなもので、定められた条件のもとに使うことができます。複数年継続して取得している人向けに、年度ではなくてその部分に vExpert を取得した数が★で表示されているバッジもあり、両方を使い分けできます。
vExpert になるメリットは
vExpert になるメリットは「vExpert Program Benefits」に以下のように書かれています。
- 2,500 人以上の vExpert とのネットワークを構築できる。
- 8 つの VMware 公式ビジネスユニット主導の vExpert サブプログラムに応募できる
- プライベート vExpert #Slack チャンネルに招待され参加ができる
- VMware CEOが署名した vExpert 証明書がもらえる
- vExpertのロゴをカードやウェブサイトなどで1年間使用できる
- 様々なVMwareパートナーからの限定ギフトを入手できる機会がある
- NFRだけでなく、VMwareパートナーとのプライベートウェビナーへの参加
- プライベートベータへのアクセス(ベータチームへの登録が必要)
- ホームラボやクラウドプロバイダー向けに、ほとんどの製品の365日間の評価版ライセンスを提供
- VMworld の前に行われるブロガー ブリーフィングを通じたプライベート プレローンチ ブリーフィング(製品チームの許可が必要)
- 公開されたvExpertオンライン・ディレクトリに名前が掲載される
- お客様のソーシャル・チャネル向けに用意されたVMwareおよび仮想化コンテンツへのアクセス
- VMworld US および VMworld Europe の両イベントでの毎年の vExpert パーティ
VMworld US と VMworld EU の両方で vExpert として認められる
このようにいろいろあるのですが、やはり個人として VMware 製品の啓もう活動に必要になるのは個人で使えるライセンスがあること。なので、上のメリットの中の 9. が一番のメリットになるかなと思います。
vExpert の分布は?
日本にいる vExpert はどういう組織に分布しているかが気になるかと思いますので、vExpert 2024 64名の所属を調べてみました。ソースは vExpert サイトにある Directory で、だれでもアクセスして情報を見ることが出来ます。
所属 | 人数 |
SB C&S Corp. | 10 |
Broadcom | 5 |
Dell Technologies | 5 |
Techvan Co.,Ltd. | 5 |
Net One Systems Co., Ltd. | 4 |
FUJITSU LIMITED | 3 |
Networld Corpration | 3 |
Other | 3 |
Amazon Web Services Japan | 2 |
Central Tanshi FX co., ltd. | 2 |
Classmethod, Inc. | 2 |
JGC Corporation | 2 |
BIGLOBE Inc. | 1 |
DMM.com LLC | 1 |
Fuji Electric IT Center Co.,Ltd | 1 |
Fujisoft.inc | 1 |
Hirai Seimitsu Kogyo corp. | 1 |
Hitachi | 1 |
Mannari hospital | 1 |
Meiji Yasuda System Technology Company Limited | 1 |
Microsoft Japan | 1 |
NEC | 1 |
NRI System Techno, Ltd. | 1 |
NTT DATA Corporation | 1 |
Nutanix | 1 |
PERSOL PROCESS & TECHNOLOGY CO., LTD | 1 |
Red Hat Japan | 1 |
Seijo University | 1 |
SoftBank Corp. | 1 |
TIS Inc. | 1 |
計 | 64 |
vExpert 2024受賞者の推移は、一昨年は富士ソフト株式会社がダントツだったのですが、昨年と今年は SB C&S がダントツでした。順位の下から2番目の SoftBank の方もグループとして入れると抜きんでています。そして2位には VMware を買収した会社の Broadcom (VMware K.K. の人も含む)で、社員が仕事でやっていることも評価されるように変わったので、この vExpert 2025 ではもっと増えるかもしれません。次は元 VMware の親会社の Dell Technologies, Techvan と続いていますが、ここまでの順位は2年間変わっていません。私が入っている Other より前は Techvan の次が Net One Systems でその次が FUJITSU となっていますが、この FUJITSU は旧 FUJITSU CLOUD TECHNOLOGIES LIMITED の方が移行したものです。その次はディストリビューターの Networld と続きます。
ここで順位が下がったり無くなったりしているところは、vExpert の人が居なくなった組織だということですが、それがその所属組織の VMware 製品に対する扱いが変わったのかなどは、ここからはわかりません。ただ、vExpert になれるような「人」が居なくなったということだけは知ることが出来ます。
vExpert の話をもっと聞きたいなら=>VMUGへ
vExpert になっている人の多くは VMUG (VMware User Group) に参加している人が多いので、もし vExpert についてもう少し情報が欲しいという場合、まず VMUG に参加しその中にあるコミュニティで聞いてみるのもよいかもしれません。
VMUG 会員には 2つのタイプがあり、一般会員は無料で誰でもなれます。そのため、まずは vExpert の方とコミュニケーションしたいということであれば VMUG の一般会員に入り、Japan VMUG コミュニティに入ることからスタートするのが良いかもしれません。
なお残念ながら vExpert の Criteria に満たない場合は、次年度に向けていろいろ活動をしておくようにしてください。アピールできる活動が増えれば増えるほど、vExpert 受賞が近づいてきます。