※ライセンスに関しての情報公開先が変わっていますので、こちらの記事ではなく以下のリンクの記事を参照ください。
こちらの記事は「過去情報」としてそのまま存置します。
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Broadcom によって買収された VMware ですが、いよいよ永続ライセンス(パーペチュアルライセンス)の販売終了が KBアナウンスされました。
どのプロダクトの永続ライセンスが終了したの?
1月18日現在で、以下のプロダクトの永続ライセンスの販売が終了しました。
製品 (すべてのエディションと価格設定基準) |
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VMware vSphere Enterprise Plus |
VMware vSphere+ |
VMware vSphere Standard (excluding subscription) |
VMware vSphere ROBO |
VMware vSphere Scale Out |
VMware vSphere Desktop |
VMware vSphere Acceleration Kits |
VMware vSphere Essentials Kit |
VMware vSphere Essentials Plus Kit (excluding new subscription offering) |
VMware vSphere Starter/Foundation |
VMware vSphere with Operations Management |
VMware vSphere Basic |
VMware vSphere Advanced |
VMware vSphere Storage Appliance |
VMware vSphere Hypervisor |
VMware Cloud Foundation (excluding new VCF subscription offering) |
VMware Cloud Foundation for VDI |
VMware Cloud Foundation for ROBO |
VMware SDDC Manager |
VMware vCenter Standard |
VMware vCenter Foundation |
VMware vSAN |
VMware vSAN ROBO |
VMware vSAN Desktop |
VMware HCI Kit |
VMware Site Recovery Manager |
VMware Cloud Editions/ Cloud Packs |
VMware vCloud Suite |
VMware Aria Suite (formerly vRealize Suite) |
VMware Aria Universal Suite (formerly vRealize Cloud Universal) |
VMware Aria Suite Term |
VMware Aria Operations for Networks (formerly vRealize Network Insight) |
VMware Aria Operations for Networks Universal (formerly vRealize Network Insight Universal) |
VMware vRealize Network Insight ROBO |
VMware Aria Operations for Logs (formerly vRealize Log Insight) |
VMware vRealize Operations Application Monitoring Add-On |
VMware Aria Operations |
VMware Aria Automation |
VMware Aria Automation for Secure Hosts add-on (formerly SaltStack SecOps) |
VMware vRealize Automation SaltStack SecOps add-on |
VMware Aria Operations for Integrations (formerly vRealize True Visibility Suite) |
VMware Cloud Director |
Cloud Director Service |
VMware NSX |
VMware NSX for Desktop |
VMware NSX ROBO |
VMware NSX Distributed Firewall |
VMware NSX Gateway Firewall |
VMware NSX Threat Prevention to Distributed Firewall |
VMware NSX Threat Prevention to Gateway Firewall |
VMware NSX Advanced Threat Prevention to Distributed Firewall |
VMware NSX Advanced Threat Prevention to Gateway Firewall |
VMware NSX Advanced Load Balancer (excluding Subscription, SaaS) |
VMware Container Networking Enterprise with Antrea |
VMware HCX |
VMware HCX+ |
これらの製品については1月15日以降見積りをしていたとしてもこれからは全て VMware 側で拒否されるため、1月15日前の見積りでは購入が出来なくなります。もちろん1月15日以降は見積りもできません。
ここで気になるのが一つ、無償で使えていた「VMware vSphere Hypervisor」も EOA になります。今までは vCenter Server 使わなくてよくて、でも仮想化環境使いたいなというときにこの「VMware vSphere Hypervisor」が便利だったのですが、このライセンスが終了になるので永続的に使い続けることが出来なくなります。評価版も期間が決まっていてかつ同じアカウントでは1回しかダウンロードできないので、家ラボとかちょっと検証とかに使うことができなくなるのが残念です。
ライセンス販売終了によるユーザーへの影響は?
VMware では以下のようなソリューションを持って代替すると書かれています。
「2023 年 12 月 11 日に発表されたとおり、VMware は、ポートフォリオを合理化および簡素化し、永久ライセンスからサブスクリプション モデルへ移行するという過去 2 年間の取り組みにおいて、新たなマイルストーンに到達しました。 当社は、ポートフォリオを簡素化し、当社の最高のテクノロジーである VMware Cloud Foundation と VMware vSphere Foundation に重点を置いたいくつかのオファーと、オプションの高度なアドオン オファーを提供しました。
以下の製品は提供終了 (EOA) となっています。 特に明記されていない限り、永久、サポートおよびサブスクリプション (SnS)、SaaS/ホスト型、サブスクリプションを含むすべてのライセンス オプション、および各製品のすべてのエディション、スイート、および価格設定基準がこの発表に含まれています。 これらの製品は現在購入できません。 将来的にはリニューアルの際に、お客様のニーズに合わせた最適なサブスクリプション商品をご提供させていただきます。」
つまり、サブスクリプションを買い直してねという形になります。
また VMware vSphere に関しては、サブスクリプション型で以下のプロダクトが販売されます。それ以外の例えば VMware vSphere Essentials などは販売されないので、使用しているプロダクトが廃止になってしまった場合は、下記のどれかに移行する必要があります。
- VMware Cloud Foundation
- VMware vSphere Foundation
- VMware vSphere Standard
- VMware vSphere Essentials Plus Kit
VMware Cloud Foundation はハイブリッドクラウドを構成したいユーザー向けで大規模環境に適するとしており、それ以外の中小規模環境については VMware vSphere Foundation、そしてシンプルな機能だけなら VMware vSphere Standard で、小規模なら VMware vSphere Essentials Plus Kit をサブスクリプションタイプで使ってねということのようです。vSAN や NSX を使う必要ある場合は「Foundation」の 2つのどちらかが必須になるので、今の環境がどのように使われているかによって移行先を考える必要があります。
直ぐにライセンスを変えなければダメ?
今まで購入しているパーペチュアルライセンスはユーザー所有のものなので、これからもずっと使用し続けることが出来ます。ただし 2023年12月11日以降パーペチュアルライセンスとそれのサポートの販売およびSnS更新は終了しているので、今利用しているサポートの期間終了までしか実質は使えないと考えるのが妥当です。この KB 96168 でも
「既存のお客様で、上記の提供終了製品を購入されているが、更新の準備ができていない場合は、現時点では直ちに対応する必要はなく、VMware はサポート契約の期間中、引き続きアクティブ サポートを提供します。 将来的には、更新時に新しいサブスクリプションの提供や、ニーズに最適な高度なアドオンのオプションを利用できるようになります。」
と書かれている通り、現行の SnS 契約終了までの間にサブスクリプションに切り替える準備をしてくれと書かれています。そして
「これに関する詳細については、VMware アカウント チームおよび営業担当者にお問い合わせください。」
とあるので、VMware と相談しながら適切なサブスクリプションへの移行パスを見つけてくれということのようです。そのためのインセンティブやアップグレード価格も用逸しているとのことなので、慌てずにまずは Broadcom の VMware 営業に確認するのが先決・・・ですね。
気になる VMware Cloud on AWS の行方は?
今回の VMware が Broadcom に買収されることにより、今までは VMware と AWS が販売していた VMware Cloud on AWS の動向が気になります。個人的には VMware 側で VMware Cloud on AWS の販売は止めるのではないかなと感じています。つまり Microsoft Azure VMware Solution や Google Cloud VMware Engine のように、クラウドサービスプロバイダー(CSP)側だけで販売する形になっていくような気がします。または Oracle Cloud VMware Solution のようにアンマネージドでユーザーが管理する形態になる可能性も考えられます。
ただ、本当に VMware Cloud on AWS を VMware が売らなくなって管理そのほかの形が変わることになった場合、何らかの手間がユーザーに発生する可能性も考えられるので、今後の動向が気になるところです。
サブスクリプションに変わるプロダクトは?
以下のプロダクトがサブスクリプションモデルに変ります。
- VMware Cloud Foundation
- VMware vSphere
- VMware vSAN
- VMware NSX
- VMware HCX
- VMware Site Recovery Manager
- VMware vCloud Suite
- VMware Aria Suite
- VMware Aria Universal
- VMware Aria Automation
- VMware Aria Operations
- VMware Aria Operations for Logs
- VMware Aria Operations for Networks
このライセンスの変更に伴う販売終了の情報はまだ英語でしか出ていないので、日本語での情報が出てくるの間はこの英語の KB 96168 を時々見ていく必要がありますね。
サブスクリプションの購入先は?
VMware が Broadcom に買収される前のライセンス購入先は、ハードウエアに添付されていてハードウエアに紐づいている OEM「バンドル」、ハードウエアと一緒に買えるけれどハードウエアには紐づかない OEM「アンバンドル」、ネットワールド、SB C&S、ダイワボウの3社のディストリビューター経由、または VMware の Partner Program に参加していてライセンスを販売できるレベルのパートナー会社がありましたが、このパートナー関連の仕組みが 2月5日より Broadcom の Partner Program に切り替わり、それまでの VMware Partner は2月4日で一度パートナーとしての立場が消滅することになっています。そして新しい Broadcom の Partner Program にはどの会社が参加できるのかは今後決まってくることなので、今まで永続ライセンスを購入していた会社が2月5日以降も永続ライセンスから変わった VMware のサブスクリプションを継続販売できるとは限らないのではないかと感じています。この辺りまだまだ情報が少ないので、心配な場合は確認されることをお勧めします。