自然の赴くままに・そのときの 気分次第で・なんとなく

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ARM版 ESXi 7 の入手方法は

世の中は vSphere 6.7 から vSphere 7 への移行をどうしようかと考えている最中ですが、vSphere の方はどんどん前に進んでいて既に vSphere 7.0 U1 が登場、そしてエッジ向けに開発されている ESXi Arm Edition も 2020年10月6日にまだまだ評価版としてですが登場してきました。

ESXi Arm Edition の入手先

ESXi Arm Edition の入手は難しくありません。VMware では新しい技術や機能を先行して開発したものや、便利ツールをサポート無しでテストできる場所 Flings を提供しています。今回の ESXi Arm Edition もここで提供されています。

Flings.jpg

ESXi Arm Edition はこの画面キャプチャにもあるように、今は左側の列から直接行くことができます。ここに出ていなくても検索すれば出てきますので、VMware の新しい機能とか便利ツールを探したいときは、まずはここにアクセスするとよいでしょう。
実際の ESXi Arm Edition はこちら(ESXi Arm Edition)からダウンロード可能です。ただ、ここでひとつ重要なことがあります。ESXi Arm Edition のダウンロードは VMware の My VMware アカウントが必要なため、My VMware に登録を事前にしておいてください。仕事で既に My VMware アカウントを持っているのであればそれを使うこともできます。ない場合は無料で登録できるので、この機会に登録しておくとよいでしょう。

ESXi Arm Edition の必要要件

次に ESXi Arm Edition を動かすハードウエアの要件です。Flings の頁にも書かれていますが、企業が使うのではなくまずは趣味や興味の範囲で使ってみるのであれば、最低限以下のものを用意すればよいでしょう。

  • Raspberry Pi 4B 8GBモデル、ここは 4GB モデルも使えるのですが、Fling でも書かれているように 8GB にするのが良いでしょう。ESXi は 4GB でも動作するのですが、仮想マシン他の利用するメモリーがほとんどなくなってしまうので、可能であれば 8GB モデルを使うことをお勧めします。
  • ESXi Arm Edition インストール先の USB メモリーを使います。可能であれば 10GB 以上のものを用意してください。今後のことを考えるのであれば 32GB 以上がおすすめです。ここ、Micro SD ではなくて USB にインストールするというのは、今時点では設定やファームウエアのアップデートに Micro SD にインストールされた Raspberry Pi OS が必要で、vSPhere 7 ではまだその部分をコントロールできないからです。また 32GB 以上にしたほうが良いというのは、vSphere 7 から変わった ESXi パーティションの構成変更に合わせるということもありますが、今後の ESXi が拡張されていく時に、基本データ領域(ブート領域などですね)が 32GB未満では小さいので拡張に対応できないことも考えられるからです。vSphere 6.7 までは基本データ領域は 250MBでその他のシステムが使う領域も入れて 500MB あれば足りていたのですが、これは vSphere 6.7 までは ESXi には手を入れないという方向があったからで、vSphere 7 では Kubernetes を取り込みコンテナ対応もするなどに方針が変わってきていて、それに合わせて ESXi の改変や拡張も今後行われるという意味だと思います。なので、ESXi Arm Edition でもその影響を受けるものと思って大きめなのを使っておくのが良いでしょう。vSphere のシステムディスクのパーティションサイズの変遷についてはvSphere ESXi のブートディスクパーティションの変遷にまとめておきましたので、併せてご覧ください。
  • インストール用の USBメモリー 1GB 程度、これは単純にダウンロードした iso イメージを展開する場所として使うだけなので、1GB 以上の容量があれば問題ありません。今だとそんなに小さな容量の USB メモリーは逆に手に入りませんので、安価なもので 1GB 以上あるものを使えば良いと思います。

ESXi Arm Edition は単体で使えるのか?

これはもちろん「Yes」です。Intel / AMD 版の既存の ESXi と全く同じで、評価期間 180日で使うことができますし、無償版ライセンスを入手することで 180日を超えて使い続けることも可能です。

vCenter Server は必要?

ESXi 単体で使えるということは vCXenter Server は不要だということです。つまり、個人で ESXi の勉強をしたい場合は ESXi 単体で使うことができ、vCenter Server を持っている場合は、その vCenter Server 配下に ESXi Arm Edition を入れて管理するということも可能ということになります。ただ、必要とされるvCenter Server は vCenter Server Appliance(VCSA)7.0以降が必要になるので、既存環境で vCenter Server 6.7 までしかない場合は、まず vCenter Server を 7.0 以上にアップグレードする必要が出てきます。なので、運用環境や開発環境で使用している vCenter Server に組み入れて ESXi Arm Edition のクラスタを作るということではなく、新規に評価用として vCenter Server Appliance を立て、そこで環境を作っていくことをお勧めします。また、最新の vCenter Server Appliance 7.0 U1 を使いたくなるのですが、Flings のようなところで公開されるものは最新の開発環境では作られていないので、ひとつ前の vCenter Server Appliance 7.0 系を使うようにしてください。今回も制限事項としては vCenter Server Appliance(VCSA)7.0 Update 1 を使うと vSphere DRS / HA が使えないことが記載されています。

ESXi Arm Edition の使い道

ESXi Arm Edition はあくまでも ARM CPU 上で ESXi を動かすというもので、仮想マシンも ARM CPU で動くものしか対応しません。つまり ARM アプリケーションだけが今はこの ESXi Arm Edition 上で動作させることができます。ただ、Microsoft が 2020年 11月から ARM 上で動作する Windows 10 の上で 64bit x64 アプリも動かせるようになると発表しているので、エッジ用途での使い道が広がってくるのではないかとちょっと期待しています。今まではエッジ用途で x86/x64 Windows でしかできなかったそれほどスペックのいらないサービスを高スペックの高価なサーバーで動かしたりしていましたが、この ESXi Arm Edition が実用化されればハードウエアの選定も幅が広がると思うのでちょっと期待です。ただ、VMware が良くやる高いライセンス。。。。。必須が vSphere Enterprise Plus だとかのようにならないことは願いたいことです。

ESXi Arm Edition のインストールは

今回は入手まで書きました。次回以降はインストールとクラスタの構成までをまとめていきたいと思っています。