自然の赴くままに・そのときの 気分次第で・なんとなく

興味を持ったことを、なんとなく気の向くまま書いています。

8月15日長野新幹線車両センターの状況

送り盆ですが、時間を見つけて1週間ぶりに訪問してきました。浅川でカワウ、アオサギ、カモの親子にお出迎えされながらの訪問です。

新しい洪水痕跡水位標がつきました

先週訪問時には青いネットで囲まれていた「赤沼洪水痕跡水位標」ですが、今週はネットも取り払われてきれいな姿を見せていました。

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洪水痕跡水位標

全てが新品同様に直されてピカピカ。そして、一番上から次の所に「西暦2019年」「令和元年十月十三日」の標が追加されていました。

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2019年台風19号の洪水位置

つまり、過去180年位の間の洪水の中で第二位の洪水だったというのがわかります。このあたりの浸水深は 4.3m だったので、それまでの 1742年(寛保2年)から 1mだけ低かったということですね。そして、その下の 1896年(明治29年)は 3.7mなので、その真ん中よりちょっと上ということは、もしかしたらこの場所はもうちょっと浸水深があったのかもしれません。
あと、この場所については1983年(昭和58年)9月の台風12号の洪水をベースに、浅川改修とダム建設の有無でどのように変わるかが検討されていたようで、その結果も千曲川次第で内水氾濫は防げないような記述になっています。このような資料が県で作られていて、その中の記述で『浅川流域で内水氾濫の危険があるときは、浅川だけでなく千曲川の崖錐反乱も危惧されるときである。』とあり、まさに2019年(令和元年)台風19号の洪水はその通りの結果になったんだなぁと思いました。そして、ここまで洪水になる場所としてはっきりしていたのに中途半端な盛土で済ませていた結果、今回の洪水で新幹線基地と車両が水没しているのを見ると、やはり「想定外」ではなくて起こるべきして起きた結果と言わざるを得ないですね。1983年(昭和58年)9月の台風12号の洪水の資料に浅川ダムがある場合と無い場合の、洪水範囲や水深の低下がどのくらいなのかなど検討している資料は、以下のリンクから見ることができます。

内水対策について

他の施策もそうですが、JR東日本は全般的にイレギュラー対策していない、または甘いのが多いと感じています。その結果、イレギュラーが発生すると対応が後手後手になって復旧までに長い時間がかかったり二次トラブルも巻き起こしたりしているように感じます。JR東日本安全綱領では

  1. 安全は輸送業務の最大の使命である。
  2. 安全の確保は、規程の遵守及び執務の厳正から始まり、不断の修練によって築きあげられる。
  3. 確認の励行と連絡の徹底は、安全の確保に最も大切である。
  4. 安全の確保のためには、職責をこえて一致協力しなければならない。
  5. 疑わしいときは、最も安全と認められるみちを採らなければならない。

と言っているのですが、現場はそれに向けて頑張っているのに管理部門がそれを忘れてしまっているように感じるのが残念です。

長野新幹線車両センターの今

お盆時期ということもあり、検修庫の修復作業は行われていませんでした。取り払われた壁もそのまま。進捗はなさそうでした。本格的に修繕に入るのは来週からですね。

ただ、臨修庫脇のぼうぼう生えていた雑草は除草されたので、来週以降は臨修庫での作業ももっとよく見えるようになるかもしれません。

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臨修庫

F1 の今は

先週の E714-1 の搬出から 1週間過ぎましたが、結果として何も変化ありませんでした。まずは検修庫脇の 8号車、E726-401 です。

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E726-401

先週と同じ位置にアントと連結されて停車されたままでした。先週と同じ向きの写真も撮っていますが動いていません。

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アントと一緒

次にいつもの車内の解体場所は、

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奥から E715-1, E726-501, E725-201

先週と違うのは、車内へ新鮮空気を入れるのと換気のためのダクトが外されているということと、扉は全部閉じられていること。作業進捗はわかりませんが、位置は先週の位置そのままで、立ち入りできないように連結面も含めて扉を閉じているという状態でした。

留置線の状況

留置線の動きは一切ありません。検修庫は空っぽ、留置線の廃車置き場は2~4番線のまま、車輪転削庫前後は W7 が占領という形は変わりありません。

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長野新幹線車両センター 8月15日見たまま

5番線が使われていないのもそのまま。

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営業線の「かがやき」W4? 編成

解体待ちと解体済みの一覧

現在の水没 E7 / W7 の状況です。解体された順番に並べています。赤字は解体済み、黄色字は解体中、緑は残されている車両、解体待ちの編成は現在の編成状態で書いてあります。 (F1 と W2 がオリジナルの編成の状態と異なります。)先週の状態から動きはありません。

【解体】

F10:E723-10, E726-110, E725-10, E726-210, E725-110, E726-310, E725-410, E726-410, E725-210, E726-510, E715-10, E714-10
F7  : E723-7, E726-107, E725-7, E726-207, E725-107, E726-307, E725-407, E726-407, E725-207, E726-507, E715-7, E714-7

F14:E723-14, E726-114, E725-14, E726-214, E725-114, E726-314, E725-414, E726-414, E725-214, E726-514, E715-14, E714-14

F8  : E723-8, E726-108, E725-8, E726-208, E725-108, E726-308, E725-408, E726-408, E725-208, E726-508, E715-8, E714-8

F16:E723-16, E726-116, E725-16, E726-216, E725-116, E726-316, E725-416, E726-416, E725-216, E726-516, E715-16, E714-16

F1:E723-1, E726-101, E725-1, E726-201, E725-101, E726-301, E725-401, E726-401, E725-201, E726-501, E715-1, E714-1

F18:E723-18, E726-118, E725-18, E726-218, E725-118, E726-318, E725-418, E726-418, E725-218, E726-518, E715-18, E714-18

F2:E723-2, E726-102, E725-2, E726-202, E725-102, E726-302, E725-402, E726-402, E725-202, E726-502, E715-2, E714-2

W7:W723-107, W726-107, W725-107, W726-207+W725-207, W726-307, W725-307, W726-407, W725-407, W726-507, W715-507, W714-507

W2:W726-402+W723-102,W726-102+W725-302,W725-102,W725-402,W726-202,W726-502,W715-502, W714-502, W725-202, W726-302

8月は F1 解体がメインで、その次は 9月以降になりそうですね。

8月8日長野新幹線車両センターの状況

訪問をしているのに撮影を忘れている「洪水痕跡水位標」の撮影のため、1週間ぶりに訪問してきました。

洪水痕跡水位標は今

最近まで泥に汚れて白い字も読み取れないほどの状態だったのですが、今日はこんな状態になっていました。

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赤沼地区洪水痕跡水位標

しっかりとカバーされ、足場も組まれて修繕作業中。うっすらと見えると思いますが、上の方は奇麗になった洪水痕跡水位標と中に2人作業している人がいます。お盆明けには奇麗になって、かつ今回の水害の水位と日付の標が追加されているかもしれません。場所はこの辺で、奥に見える薄い水色の建物が長野新幹線車両センターのごみ処理施設です。

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赤沼地区洪水痕跡水位標の近辺

車両ではなく施設を見てみた

毎回車両だったのですが E7 系も残り 3編成になり、留置線も半分以上整備され検修庫も W2 / W7 が出された後修繕が始まっているので、車両の大きな動きはなくなってしまいました。そこで車両以外の状況を見てみることにしました。

ごみ処理施設と汚物処理施設

この2つの施設も修繕が始まっています。

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汚水処理施設とごみ処理施設

見ての通りシャッターが開けられ、作業用のいろいろなものが置かれて中で何かをしていることがわかります。

検修庫

前の記事で「足場が組まれて」と書きましたが、結構いろいろな作業が行われてているようです。まずは検修庫入り口付近の車両がこないあたりですが、暗くて写真ではよく見えないのですが上と同じように作業用のものが置かれたりしています。

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検修庫入り口付近

次に車両が入る中程。1階すべての窓が撤去されています。ということは、前回懸念していた扉の止水板だけでは窓から水が突入すると気になっていた部分も、窓の改造をするということのようです。窓の下縁を上にあげるのか、それとも水圧に強い窓にするのか気になるところです。

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検修庫内

 

解体の進捗状況 E714-1 解体完了

今日の F1 編成、最終的に 12両すべてを見ることができたのですが、この時はまだ見えるところには 11両しかありませんでした。まずは検修庫脇の 8号車、E726-401 です。

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E726-401

いつものようにこの後の廃車対象としてここに置かれていましたが、室内の撤去作業中の E725-201 の進捗がまだまだのようで、この日は入れ換えはないかもしれません。アントも転動防止の手歯止めされていました。

次にいつもの車内の解体場所です。

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奥から E715-1, E726-501, E725-201

手前の E725-201 はまさに内装を外す作業をしており、すべての座席はそのままだったのですが窓枠のあたりに電動ドライバーを当ててねじを外す音と作業員の姿が見えていました。その奥の E726-501 は窓ガラスの撤去完了、その奥の E715-1 はいよいよ車体解体の番が来たという感じに見えます。

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E726-501

この写真を見るとガラスの奥に椅子みたいなのが見えるのですが、ガラスと内装パネル撤去が先で、椅子は最後なのかなぁと思ったりしました。何度も訪問しているのに椅子を外している所を見たことがないので、もしかしたら車体解体の際に天井を切り取った後に椅子もそこで重機で外しているのかもしれません。

留置線の状況

本日時点の留置線の状況はこのようになりました。検修庫は空っぽ、留置線は廃車置き場は2~4番線に変わり、車輪転削庫前後は W7 が占領という形は変わりありません。

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長野新幹線車両センター 8月8日見たまま

F1 が移動した後の 5番線も何もされていませんでした。

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2番線側から F2, F18, W2、5番線は車止めも無いのでまだ本線側から使われない

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本線側から見た留置線 2番線側から F2, F18, W2 で奥は W7 で、営業線上は W7 系 W8編成

なんで最終的に 12両すべてを見ることができたのか?

最初の方で「最終的に 12両すべてを見ることができた」と書きましたが、それは上の留置線の状況の図を見ていただくとわかります。つまり、解体後の搬出に出くわしました。

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解体した E714-1 の車体を運ぶトラック

臨修庫ででかい音と地響きがしていて「今日は随分大々的にやっているなぁ」と思っていたら、どうやらトラックに積み込んでいたみたいです。音がやんでしばらくして例の青いトラックが出てきました。荷台に積み荷満載です。

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E714-1 の車体が見えた

あのトラック 1台で新幹線の車体はみんな載ってしまうみたいですね。そう思うと鉄道車両は空洞が多いというのがわかりました。

トラックはその後敷地内の道路を通って敷地入り口まで行き、長野新幹線車両センターから出てきました。よく見ると手前の積み荷は屋根の部分ですね。カーブの部分が銅色に塗られているのでわかりました。そして左から2つ目の破片はシンボルマークの上の部分のようです。

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E714-1 車体の屋根の部分

奥の長四角い窓は方向幕の部分のようです。右端には E7 系のシンボルマークがあります。

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E714-1 のシンボルマーク部分

その後長野市内方面に向かって走り去っていきました。電車で豊野まで来て訪問しているのでトラックを追いかけることはできませんでしたが、長野方面に走っていって村山橋を渡っていくのではないかと思います。

シンボルマークの意味、こんな感じでした。

北陸新幹線用新型車両シンボルマークデザイン決定

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溶断ではなく重機の鋏で咬み切って解体された E714-1 の車体

わかっていたことなのですが、こんな形になってしまうんだなぁとちょっと寂しく感じた今日の訪問でした。

長野新幹線車両センターに残る残滓、何かに使うのでしょうか。ごみ処理施設の裏に大量においてありました。どの編成のかはわからないですが。。。。

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E7 系の床下カバー

解体待ちと解体済みの一覧

現在の水没 E7 / W7 の状況です。解体された順番に並べています。赤字は解体済み、黄色字は解体中、緑は残されている車両、解体待ちの編成は現在の編成状態で書いてあります。 (F1 と W2 がオリジナルの編成の状態と異なります。)

【解体】

F10:E723-10, E726-110, E725-10, E726-210, E725-110, E726-310, E725-410, E726-410, E725-210, E726-510, E715-10, E714-10
F7  : E723-7, E726-107, E725-7, E726-207, E725-107, E726-307, E725-407, E726-407, E725-207, E726-507, E715-7, E714-7

F14:E723-14, E726-114, E725-14, E726-214, E725-114, E726-314, E725-414, E726-414, E725-214, E726-514, E715-14, E714-14

F8  : E723-8, E726-108, E725-8, E726-208, E725-108, E726-308, E725-408, E726-408, E725-208, E726-508, E715-8, E714-8

F16:E723-16, E726-116, E725-16, E726-216, E725-116, E726-316, E725-416, E726-416, E725-216, E726-516, E715-16, E714-16

F1:E723-1, E726-101, E725-1, E726-201, E725-101, E726-301, E725-401, E726-401, E725-201, E726-501, E715-1, E714-1

F18:E723-18, E726-118, E725-18, E726-218, E725-118, E726-318, E725-418, E726-418, E725-218, E726-518, E715-18, E714-18

F2:E723-2, E726-102, E725-2, E726-202, E725-102, E726-302, E725-402, E726-402, E725-202, E726-502, E715-2, E714-2

W7:W723-107, W726-107, W725-107, W726-207+W725-207, W726-307, W725-307, W726-407, W725-407, W726-507, W715-507, W714-507

W2:W726-402+W723-102,W726-102+W725-302,W725-102,W725-402,W726-202,W726-502,W715-502, W714-502, W725-202, W726-302

こうやって見ると、解体着手されていない編成は E7 と W7 同じ本数になったんですね。

北陸新幹線の車両基地の耐水害性をハザードマップで調べてみた

北陸新幹線長野新幹線車両センターが洪水で冠水したのは「偶然」か「必然」かという観点で、ハザードマップを見ながら考えてみました。

 北陸新幹線の車両センターがある場所のハザードマップ

北陸新幹線が開業するにあたり、その車両センターを新規に作ることになるのですが、それぞれの車両センターは水害に対してどのように考えられているのかを、自治体が発行しているハザードマップを参照しながら確認してみます。
順番的には東京寄りから順にと書きたいのですが、長野新幹線車両センターは最後にします。

東京新幹線車両センター

最初は東京新幹線車両センターから。ここは北陸新幹線ということではなく、東北・上越新幹線車両基地として整備されたところです。この東京新幹線車両センターには近隣に隅田川と大宮側には洪水を起こす音無川があります。まずはハザードマップを見てみましょう。

東京都北区洪水ハザードマップ

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東京新幹線車両センター

この図を見るとわかるのですが、東京新幹線車両センターの留置線はほとんどが洪水の影響を受けない場所になっています。一部 0.5m の色になっているのですが、国鉄時代にここに新幹線の車両基地を作る際に盛土をして留置線を整備しているのでそこだけへこんでいることはないので、まずすべての留置線が最大浸水でも大丈夫なことがわかります。そして検修庫のある場所も同様なので、たとえ洪水が発生しても車両基地はしっかり守られることがわかりました。もちろん、本線は高架なので車両を本線上の大宮寄りに引き上げて守ることも可能ですね。(東京側はトンネルなので水没の恐れありですが、多分・・・止水扉はあるのではないかなと思っています。いつも通っていたのですが気づかなかったのですが・・・)

白山総合車両所

北陸新幹線金沢開業の際に整備された、JR西日本の新幹線車両基地です。金沢から福井側の白山市松任駅笠間駅の間にあります。近隣には大きな川も無く、海からは直線距離で 2.5 Km 離れています。

白山市総合防災マップ

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白山総合車両所

こちらもつい最近まで公開されていたハザードマップでは、浸水しないエリアになっていました。そして最新のマップでは白山総合車両所は 0.5m未満~3.0mに修正されていますが、白山総合車両所は建設時に一番低いところは 10m 位の盛土をしているため、ハザードマップの浸水深をゆうに超えています。そのため水没することはありません。もちろん本線は高架です。

敦賀総合車両所

現在工事中の敦賀開業に向けて、敦賀総合車両所の工事も始まっています。場所はこのあたりで、木の芽川から直線距離で 200m、笙の川からは 400m しか離れていません。

敦賀市洪水浸水想定区域図

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敦賀総合車両所

しかし、このハザードマップを見るとわかるのですが、白い浸水しない部分とその先の国道 27号を超えた先の0.5m未満の黄色、そしてその先の0.5m~3.0m未満の場所に車両基地が作られ、その3.0m未満の北側は 18m の盛土、白い部分では 3mの盛土をするため、白山総合車両所と同様に実質水没することはありません。これは多分 JR西日本国鉄時代の東海道新幹線の鳥飼車両基地の水没を知っているので、安全側を取ってこのように工事しているのだと思います。特にここ敦賀総合車両所については、今回の長野新幹線車両センターの水没を知る前に盛土で工事を始めているので、そういう面では安全と車両及び設備の保護ということをしっかり考えているのだと思いました。

長野新幹線車両センター

最後に長野新幹線車両センターです。長野新幹線車両センターがある場所は「長野市赤沼」という場所で、そもそもが周辺より低い場所でした。

長野市洪水ハザードマップ

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長野新幹線車両センター

ハザードマップを見ても真っ赤ですね。この色、実は10m~20m未満の色です。上のほうにちょっとオレンジのところありますが、ここでさえ 5m~10未満の場所であり、洪水が発生したら確実に水没する場所です。そして、赤いがいっぱいならんでいるところは氾濫流による家屋倒壊等が発生する場所を示していて、車両センターの臨修庫や車体洗浄機がその場所にかかっています。

そうはいってもこのハザードマップは万が一洪水になった際の予測だよね?だから今回の洪水による水害は想定外・・・・と言ってしまうのは大きな間違いで、実は長野新幹線車両センターの入り口の近くにこんなものがあります。写真を撮り忘れているので Google ストリートビューの画面キャプチャをリンクとともに載せました。

洪水痕跡水位標

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赤沼地区洪水痕跡水位標

この写真は工事中のもののようで高架も完成していなくて、かつ奥の建物は長野新幹線車両センターの建物なのですが、ピカピカです。そしてそのわきに立つ「洪水痕跡水位標」そもそもここではこれだけの水位の洪水が起きているということ、わかっていたはずなんですね。
参考:他の洪水痕跡水位標国土交通省千曲川河川事務所 千曲川情報館より)

今回の台風 19号の洪水では、この洪水痕跡水位標にも流されてきたものが引っかかっていました。ちなみに、この洪水痕跡水位標の洪水深は上からこのように表示されています。

そしてこの洪水痕跡水位標自体は千曲川の氾濫に対してのなので、今回のように浅川の内水氾濫からのスタートによる洪水の記録ではありません。ただ、この場所は元々浅川が氾濫した際の他の場所に被害を及ぼさないようにするための遊水地扱いの土地で、そのために住居は一切なくて全て畑になっているわけです。どちらにしても水が溢れれば浸かる地域だというのがわかります。そもそもが洪水に対して脆弱な所に、「洪水対策しているから大丈夫だろう」と考えて新幹線の車両基地を作ってしまったということですね。JR東日本の人が「なぜこうなったのかわからない。想定外だ。」といっていましたが、そもそも工事の前の地元への説明会の時に、鉄建公団が「浅川上流にダムを造れば洪水は防げるから、この遊水地は不要です。」と話したということなので、洪水で浸水する前提の土地に盛土の高さも足りない状態の車両基地を建設したというのが、今回の長野新幹線車両センター水没の根本原因だと感じます。

このあたりのことは、地元紙の信濃毎日新聞でも書かれていますので、併せてみていただければと思います。

対策実らず新幹線浸水 車両センター過去にも氾濫の地|台風19号 長野県内 豪雨災害|信濃毎日新聞

また、千曲川河川事務所の氾濫シミュレーションは、実際にどのくらいの水位になるかがすぐわかります。偶然にも先の洪水痕跡水位標の場所のもありましたので、台風19号の時どうだったのかイメージつくと思います。赤沼洪水水位標(長野市赤沼)をクリックするとこの場所が出ます。

千曲川河川事務所 赤沼洪水水位標の浸水アニメーション

長野新幹線車両センターの盛土は

この長野新幹線車両センターを作る際に盛土をしなかったのかというとそうではなく、こちらのパシフィックコンサルタンツのサイトの記事「北陸新幹線プロジェクト」の中に、盛土のことが書かれていました。

www.pacific.co.jp

この中で盛土するにあたり軟弱地盤を克服するために、盛土して沈下する 1mを想定して 5mの盛土をしたとの記述があります。そうなると、沈下 1m を差し引いて実際の長野新幹線車両センターの盛土高は 4m程度。上の洪水痕跡水位標で言うと千曲川計画高水位以下の盛土になっていたいうことがわかります。でも、それでは先の長野市洪水ハザードマップの 10m~20m未満まで達していません。その結果、今回の浅川内水氾濫及び千曲川堤防決壊で長野新幹線車両センターは水没することになったわけです。

先の信濃毎日新聞の記事では『機構は、そうした土地への建設に当たり、82年に県が作成した浸水被害実績図を参考に盛り土をしたと説明。同年以前の水害で最深の浸水よりも90センチ高くなるようにしたという。』となっていますが、このパシフィックコンサルタンツの記事と併せてみる限り、盛土の高さはの計画はそもそもが地盤沈下の分を含める前の高さで行っていて、そして実際の工事はそれをそのまま適用したのでは?というような風に見えてしまいます。地盤沈下が 1m発生するのであれば、90cm の追加でも足りなくなるというのは容易にわかるのではないかなと感じました。そういうことを想定して JR西日本の新幹線車両所は盛り土の高さはそれよりもかなり大きく、3m以上想定浸水深より盛っているんだと思います。

結局のところ災害に対する事業継続という視点では、JR東日本は他の最近発生している事故や災害でもそうなのですが、そういうイレギュラーは発生しないという前提で何事もやっているように思います。だから事故や災害が発生すると復旧まで時間がかかり、そして「想定外」のような発表をして、慌ててそこから対策をする。でも、コストかかるからしっかりとした対策せずにまた同じようなことを起こす。JR東日本の施策を見ているとそんなように感じます。

千曲川の堤防決壊しなかったら水没しなかったか?

今回は最終的に千曲川の堤防決壊によって大量の水が来たため、それまでの洪水分に加えた量の水で長野新幹線車両センターは水没してしまいましたが、先日の 7月8日の大雨でも長野新幹線車両センター近隣の用水路が溢れ、周辺道路が浸水しています。(7月8日長野新幹線車両センターの状況参照)この内水氾濫の危険性はこの車両基地の周りに多くの用水路があるということとすぐそばに浅川があるということ、そして千曲川との合流点近くで千曲川の水位が上がると水門が閉じられてポンプによる千曲川への排水が必要になるということなど、洪水になる要素がとても多いところです。そして、今回の台風 19号ではまさに上に書いた通りのストーリー、千曲川の水位が上がり浅川と千曲川の合流点の水門を閉じ浅川排水機場のポンプで千曲川に排水していたけれど、それでも千曲川の水位が上がり続けてポンプでの排水を停止、その影響で浅川も急激に水位が上がり内水氾濫が発生したということのようです。そして、長野新幹線車両センターのすぐ脇にこんな場所があります。

長沼排水機場

用水路、河川 2本が同じところに集まって浅川下流に行く。普通に考えても合流場所で水同士がぶつかって流れが悪くならないかなぁと心配になる場所です。パノラマ写真で撮影するとこんな感じです。(写真の橋の欄干はまっすぐですが、パノラマなので大きく折れているように見えます。)

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長沼排水機場

右の三念沢と真ん中の浅川の堤防が壊れていて、浅川の堤防は直されましたが三念沢の方はまだ工事中です。このように洪水で浸水しそうなところに、洪水が発生している洪水痕跡水位標よりも千曲川計画高水位よりも低い盛土しかせずということでは、洪水時には被害が出るのは当たり前ということですね。なので、今回の 10本もの E7 / W7 の水没は想定外ではなく、鳥飼車両基地のように洪水前の車両移動をしなかったからということだけではなく、そもそも洪水に対する対策が不足していたということだと感じました。

あと、具体的な場所は調べがついていないのですが、川中島側にも車両基地を検討していたということも聞いており、ざっくりですが川中島の洪水ハザードマップも見てみます。

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川中島駅近辺

見てわかる通り、川中島近辺の住宅地以外はりんごかももの畑になっています。また、川中島駅近隣は貨物取扱設備が、今井駅あたりから篠ノ井駅も同様に貨物の取り扱い設備があり、新幹線の線路脇またはそこから離れても基地を作るスペースはあるようです。そして、すべての場所が 3m 以下の浸水深です。土地の買収価格は別として、土地の上に今の長野新幹線車両センターと同じものを盛土高さも同じにして造っていれば、たとえ洪水になっても浸水することはなかったでしょう。「たられば」の話になるので今となっては意味ないことですが、何故ここから赤沼になったのか、そのあたりが知りたいところです。

この後の長野新幹線車両センターは

これだけの被害を出していながら洪水対策として出てきたのは、

  • 電気と信号の設備の嵩上げ
  • 検修庫などの建物の止水扉取り付け
  • 洪水が予測される場合は事前にダイヤを挿入し、人を手配して、高架線上に避難させることを考える

ということでしたが、最後に

  • それでもダイヤや人の手配が間に合わない場合は、安全面を優先してそのままにして避難する

なので、最終的にはまた水没する可能性が残るということのようです。少なくとも留置線を嵩上げすることで車両を守ることができるはずですが、そうすることは考えていないのが残念な所です。詳細は以下の資料の「別添2」を見ると詳細が書かれています。

新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策について(とりまとめ)

こういう面も、実際には JR東日本東北新幹線小山留置線が水没しそうになった時に高架線上に留置車両を避難させた実績があるのにもかかわらず今回の台風 19号でその経験を生かせていないたかったというのに、この新しい対策でも最優先になっていないということが不思議に思えます。日本の鉄道会社では入社とともに伝えられる「運転安全規範

  • 安全は輸送業務の最大の使命である。
  • 安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練によって築き上げられる。
  • 確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である。
  • 安全の確保のためには職責をこえて一致協力しなければならない。
  • 疑わしい時は手落ちなく考えて最も安全と認められるみちを採らなければならない。

を現場は別として、管理部門は忘れてしまっているのではないかなと感じました。

どちらにしても、地球の温暖化の影響かもしれませんが自然災害は増加傾向にあり、そして雨も昔に比べて強く大量に降るようになってきました。まるで地球の緯度の気候ベルトが北上していて、本来海に落ちていた雨の帯が日本上に来ているのかなぁと感じたりもしています。そして、これだけ大量の雨が降るようになってしまったのだから、洪水対策も今までの 100年に 1回が毎年のように起こるようになっているものが普通の対策になって、もっと降るときの対策を別途考えなければならない時になってきているのかもしれません。残念ながら。

まとめ

色々と調べていた結果として、 今回の北陸新幹線長野新幹線車両センターが洪水で冠水したのは偶然か必然かという点、少なくとも「偶然」ではなくて予測可能な「必然」であって、地元の人でも知っていてそれに対していくらでも情報が入手できる状態だったのに、それに対し「想定外」では無く災害に対し「甘く見積もった」結果こうなったんだと思います。

ちなみに、長野新幹線車両センターに行くアプローチ部分あたりから 600m位の所にある三才神社は浸水の深さ 5m~10m未満の長野新幹線車両センターと同じような状況になるとハザードマップではされているのですが、相当嵩上げされていて実際には今回も水没していません。

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三才神社表

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三才神社裏

この写真の左手に新幹線の高架があり、左手前に長野新幹線車両センターがあります。場所はこのあたりです。

maps.gsi.go.jp

写真に見える住宅地は 2m~3m下がるので、場合によっては水没するかもしれませんが、今回の台風 19号では水没しませんでした。ハザードマップではこの場所です。(緑を付けました。)

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三才諏訪神社

ここまで水害関係でいろいろ示されているものがあったのもかかわらず・・・・・というのが、今回の調査で感じたことです。

何事もしっかりと考えることが重要で、「自分の所は大丈夫」ではなくて、備えあれば患いなしということですね。

 

追記

今回の令和元年東日本台風(台風第 19 号)による浸水被害を受けて、長野県の浅川総合内水対策計画で令和2年度から令和6年度までの5年間で浅川の治水対策が行われています。詳細は以下の資料を参照ください。

浅川総合内水対策計画

この資料の 31ページに対策後の結果が出ています。ここには『本計画に位置付ける、排水機場の増設(7 m3/s)、堤防嵩上げ、二線堤の整備を行った場合、「令和元年東日本台風(台風第 19 号)」においても、宅地部での床上浸水被害は発生しない。』となっており、宅地の部分の浸水の色はなくなっていますが、長野新幹線車両センターの部分は 1m~2m となっており、長野新幹線車両センターの周辺は用水路と貯水池だらけなので、7月8日の浸水と同じように浅川ではなくて用水路からの内水氾濫の影響は受けるんだなぁと見ていました。なので、やはり JR東日本自身で車両を守るように施設を改良しなければならないかなと感じます。

また、東京大学工学系研究科社会基盤学専攻 交通・都市・国土学研究室で調査した資料でも、スライド5と6でわかりやすくまとめられており、この資料でも繰り返し洪水が発生している場所だと指摘されています。つまり、事前に調べれば洪水対策をしっかり行う必要のある場所だったということが、だれでもわかるわけですね。

2019 年台風 19 号 復興事前調査0 次報告書

 

8月1日長野新幹線車両センターの状況

今週はあまり動きがないだろうと思っていたのと、長野市感染車両センター近隣の用事がなかったので、今日まで訪問しませんでした。

検修庫の整備開始

先週は清掃の音が響いていた検修庫ですが、清掃も終わり修繕の準備に入ったようです。検修庫扉が解放され、中に足場が組まれていました。

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久しぶりに 3線とも扉が開いた検修庫

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屋内に組まれた足場

いよいよ検修設備の復旧開始ですね。留置線も6番から11番まで使用開始しており、時折死んで廃車待ちの4本に並んで生きている営業車が6番線に並ぶという姿も日中でも見られていましたので、復活の日が近づきつつあると感じました。

次の解体は・・・・・F1 でした

検修庫から留置線に戻された順番最後が F1 だったのと、車内が水没せずにいた 2編成のうちの 1編成だったということもあって最後の解体になるのではないかと予測していたのですが、見事に予測を外されて F1 の解体着手されました。

まずは検修庫脇にアントとつながれておかれている E715-1 です。

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E715-1

次に解体する車両がここに置かれるのは前回の記事に書いた通りです。そして、ここに 11号車の E715-1 があるということは、12号車グランクラスの E714-1 は解体に入っているということ。

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E714-1

はい、この通り解体が開始されていました。他の 2両は 9号車と 10号車なので、F1 の E725-201, E726-501 かと思ってみたら、F16 の残りの E725-216, E726-516 でした。

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奥から E726-516, E725-216 そして E714-1

留置線の状況

本日時点の留置線の状況はこのようになりました。検修庫は空っぽ、留置線は廃車置き場は2~4番線に変わり、車輪転削庫前後は W7 が占領という形は変わりありません。

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長野新幹線車両センター 8月1日見たまま

この流れでいくと、ポイント分岐で6番線と7番線とまとまる5番線が、次に開けられそうになるかなと思ったりします。なので、もしそうなった場合は W2 がどこかに動くのかなと。

今回も留置線の反対側からのショットです。

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本線側から見た留置線 2番線側から F2, F18, W2 で奥は W7

W2編成の留置状況ははっきり見えるように

F1 が移動したことで、F1 と同じようにバラバラにされている W2 の留置状況が見えてくるようになりました。W726-302, W725-202 の中間車 2両の次に W714-502 が来る形で連結されています。

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W2 編成側面と、手前右は W7 で左は F1

そして、一番奥には先頭車 W723-102 の前に W726-402 がぽっつんと 1両つながっています。途中パンタグラフ車両が連続しているのも、ばらばらにされている証左ですね。

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W273-102 の前に W726-402

解体中の F1 の変な部分

解体に入った F1 ですが、検修庫に入っていたり留置線に入っていたりしているのでなかなか海側の側面を見ることができませんでした。それでも何度か海側の姿は見てはいたのですが、今回車輪転削庫の手前に置かれることによりその姿を両面から見ることができるようになったのですが、6号車の E726-301 に変な部分があるのを見つけました。7号車寄りのドアが撤去されていて仮に塞いであるように見えるのと、その隣の窓ガラスが割れているのか撤去されているのかやはり仮に塞いであるようで、もしかしたらこういう部分から F18 や F2 より先に解体になったのかもしれません。

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E726-301

アップルブリッジ赤沼上から臨修庫を望む

アップルブリッジ赤沼上からは留置線及び臨修庫側を見ることができます。編成移動初期には橋の下に 3号車と 4号車、車輪転削庫側に 1号車と 2号車、5号車以降は臨修庫方面にならんで停められるので、編成全体がどのようにつながれているかをすぐに見ることができます。

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アップルブリッジから見た 5号車から 10号車

ただ、最近県外者の車がここによく来るようになり、そして橋の上に停車して車から降りて写真を撮っているのをよく見るようになりました。このアップルブリッジ赤沼車両基地を跨ぐために太鼓橋のように結構な坂で真ん中が持ち上がり、その上橋自体も左に右にと曲がっているので見通しが良くありません。そのため、橋の上で車を停められると事故になる恐れがあるので、本当にやめてもらいたいものです。
地元ナンバーの人の場合は、ちゃんと橋の下に車を止めて歩道を歩いて見に行っているので問題ないですが、迷惑をかけてほしくないところです。

www.google.com

解体待ちと解体済みの一覧

現在の水没 E7 / W7 の状況です。解体された順番に並べています。赤字は解体済み、黄色字は解体中、緑は残されている車両、解体待ちの編成は現在の編成状態で書いてあります。 (F1 と W2 がオリジナルの編成の状態と異なります。)

【解体】

F10:E723-10, E726-110, E725-10, E726-210, E725-110, E726-310, E725-410, E726-410, E725-210, E726-510, E715-10, E714-10
F7  : E723-7, E726-107, E725-7, E726-207, E725-107, E726-307, E725-407, E726-407, E725-207, E726-507, E715-7, E714-7

F14:E723-14, E726-114, E725-14, E726-214, E725-114, E726-314, E725-414, E726-414, E725-214, E726-514, E715-14, E714-14

F8  : E723-8, E726-108, E725-8, E726-208, E725-108, E726-308, E725-408, E726-408, E725-208, E726-508, E715-8, E714-8

F16:E723-16, E726-116, E725-16, E726-216, E725-116, E726-316, E725-416, E726-416, E725-216, E726-516, E715-16, E714-16

F1:E723-1, E726-101, E725-1, E726-201, E725-101, E726-301, E725-401, E726-401, E725-201, E726-501, E715-1, E714-1

F18:E723-18, E726-118, E725-18, E726-218, E725-118, E726-318, E725-418, E726-418, E725-218, E726-518, E715-18, E714-18

F2:E723-2, E726-102, E725-2, E726-202, E725-102, E726-302, E725-402, E726-402, E725-202, E726-502, E715-2, E714-2

W7:W723-107, W726-107, W725-107, W726-207+W725-207, W726-307, W725-307, W726-407, W725-407, W726-507, W715-507, W714-507

W2:W726-402+W723-102,W726-102+W725-302,W725-102,W725-402,W726-202,W726-502,W715-502, W714-502, W725-202, W726-302

いよいよ F1 の解体が始まりました。W 編成の動きはいつあるのでしょうか。

vSAN ファイルサービスと同じような他社のサービスと並べてみた


vSphere 7 から使える vSAN ファイルサービスが出たのでちょっと調べてみました。

vSAN ファイルサービスとは

vSAN ファイルサービスとは、vSAN 上でクライアント ワークステーションまたは仮想マシンからアクセスすることができるファイル共有の場所を作れるもので、今回は NFS が利用できるようになっています。

vSAN ファイルサービスの使える範囲は

vSAN ファイルサービスそして NFS サービスと聞くと、ネイティブに vSAN レイヤと同じように NFS も構成するのかなと思ってしまうのですが実はそうではなく、vSAN の上で NFS で使えるディスクを切り出して、そのディスクをアプライアンス上の NFSサービスがマウントして、vSphere 仮想マシンファイル サービス仮想マシン (FSVM) )から NFS ストレージとして使えるようにしています。つまり、物理 NFS ストレージとは異なり、あくまでも FSVM アプライアンスが提供する NFS マウントのディスクが vSAN 上に作られて使えるという感じで、制限事項としてこの vSAN ファイルサービス を ESXi の NFS データストアとして使用することができず、あくまでも仮想マシンからアクセスされる NFS ストレージとしての使いかたに制限されます。

vSAN ファイルサービスの構成とアクセス経路は

今回登場した vSAN ファイルサービス、ここまで調べてみるとなにかに似ているなぁと思ったら、そうそうコンペティターの Nutanix の仕組みと似ていない?と気づき、ちょっと図にしてみました。 

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構成比較

この図を見てわかる通り、今回の vSAN ファイルサービスの NFS サービスを提供する FSVM は Nutanix の CVM と同じ位置づけにあって、同じようにそこが NFS サービスを提供しています。つまり、vSAN は vSAN 上に作られた NFS 用仮想ディスクに対して FSVM が NFSサービスを仮想マシン側に見せる仕組み、Nutanix はDSF でコントロールされた NDFS を CVM がパススルーでマウントし、それを仮想マシン側に NFS として見せる仕組みで、結局のところ間に入る仮想マシンNFS サービスを行っているということになります。このあたりが、vSphere 6.5 から提供が始まり vSphere 6.7 で拡張された vSAN iSCSI ターゲットサービスとの大きな違いですね。

 

間に入る仮想マシンの形は

vSAN ファイルサービスの NFS サービスでは、ファイル サービス仮想マシン (FSVM) はアプライアンスではあるのですがコンテナとして提供されます。ただ、このコンテナも KVM などのネイティブコンテナではなく、Photon OS 上に NFS サービスを実装したものが展開され、それが vSAN からまとめてコントロールされて vSAN 上の NFS サービスとして提供される形になります。それに対して Nutanix の場合は管理用の CVM は仮想マシンですが、Photon OS と同じように Linux でありその上からの NFS サービス提供なので差はありません。

唯一違うというところは CVM は直接パススルーで物理ディスクをコントロールする RAID コントローラにアクセスするということで、vSAN は vSAN ファイルサービスの NFS は一度 vSAN に制御を渡してそこから物理ディスクをコントロールする RAID コントローラにアクセスするという部分で、その差が Nutanix の場合は直接仮想マシンを置けるけれど、vSAN ファイルサービスは仮想マシンを置く場所として使えないという違いなのかもしれません。

vSANファイルサービス上の NFS サービスの使い道は

なので、vSAN ファイルサービス上の NFS サービスの使い道としては、期待していたような NFS ストレージの代替として仮想マシンを置く場所としては使えないのですが、それ以外の部分として単純なストレージとして NFS ストレージを使っている場合は十分それに代わるものとして使うことはできるかと思います。

物理ストレージとして NFS ストレージが残るのは仮想化環境として美しくないと感じる IT 担当者の方は、一度 vSANファイルサービス上の NFS サービスを使って「NFS ストレージレス」の環境をデザインしてみてはいかがでしょうか。

7月26日長野新幹線車両センターの状況

オリンピック装飾の E723-7 搬出後の状況を見に、休みの日にわざわざ訪問してきました。

E723-7 解体搬出までの車両の移動

長野新幹線車両センターの使えるスペースをうまく活用しての車両解体ですが、ずっとウオッチしてきてようやく動きが見えてきたので、E723-7 の解体が始まる直前から解体・搬出後の本日までを gif アニメにしてみました。1スライド 5秒の 20スライドですので全部見るまで 1分くらいかかりますが、車両がどのように動いているかがわかると思います。なお、〇数字は号車番号を示していて、1だけ F7 の E723-7 で、他は F16 です。

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E723-7 解体までの流れ

上の gif アニメのベースの絵は、検修庫側をクローズアップして新たに書き起こしましたが、ついでに貯水池と用水路、河川も書いています。これを見ればわかる通り、今回の長野新幹線車両センターの冠水は千曲川というより浅川とそれの周辺の用水路、そして貯水池が溢れたことによる内水氾濫だったということがよくわかるかなと思います。

F16 の状況は

いよいよ F16 も終わりが見えてきています。車輪転削庫手前に留置してあった E725-216 が検修庫脇に移動してきました。

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E725-216

そして、臨修庫奥には E714-16, E715-16, E726-516 が置かれています。E715-16 は車両の半分だけガラスが外れていました。

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E714-16, E715-16, E726-516

これらの F16 が来週には解体が終わりそうなので、いよいよ次の F?? 編成の解体に着手になりそうです。

留置線の状況

本日時点の留置線の状況はこのようになりました。検修庫は空っぽ、留置線は2~5番線を廃車置き場に使用、車輪転削庫前後は W7 が占領という形は変わりありません。

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長野新幹線車両センター 7月26日見たまま

今日は留置線の反対側からのショットです。

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本線側から見た留置線 2番線側から F2, F18, W2, F1 で奥は W7

F2 の側面

先に W7 の側面の写真を撮りましたが、今回は F2 の側面です。高架下なのでなかなかきれいに撮影できません。床下がどうなっているかという点で、前の W7 と併せてみていただくとよいかなと思います。

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E723-2 他

 

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E726-102

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E725-2

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E726-202

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E726-302

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E725-402

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E726-402

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E725-202

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E726-502

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E715-2

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E714-2

どうやって編成を解いているのか

アントによる入れ換えで車両はあっちこっちに動いていますが、その車両同士の連結面はどうなっているのかということ、通常の「生きている」車両と違うことがはっきりわかります。まずは写真を見てください。

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高圧碍子部の引き通し

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高圧ケーブルジョイント直結部

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パンタグラフ

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高圧線床下取り込み部

見てわかる通り、すべての配線が切断されています。つまりジョイントやコネクタを外すのではなく、もう「使わない」前提での切断が行われているんですね。これ、床下側も同様です。

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海側のジャンパ線

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山側の渡り線

このように床下の線も切断されていますので、最初のころはマスコミや鉄道ファンの人たちが色々と言っていたりしていましたが、切断された時点でもう二度と復活はないと決まっていたんですね。

解体待ちと解体済みの一覧

現在の水没 E7 / W7 の状況です。解体された順番に並べています。赤字は解体済み、黄色字は解体中、緑は残されている車両、解体待ちの編成は現在の編成状態で書いてあります。 (F1 と W2 がオリジナルの編成の状態と異なります。)

【解体】

F10:E723-10, E726-110, E725-10, E726-210, E725-110, E726-310, E725-410, E726-410, E725-210, E726-510, E715-10, E714-10
F7  : E723-7, E726-107, E725-7, E726-207, E725-107, E726-307, E725-407, E726-407, E725-207, E726-507, E715-7, E714-7

F14:E723-14, E726-114, E725-14, E726-214, E725-114, E726-314, E725-414, E726-414, E725-214, E726-514, E715-14, E714-14

F8  : E723-8, E726-108, E725-8, E726-208, E725-108, E726-308, E725-408, E726-408, E725-208, E726-508, E715-8, E714-8

F16:E723-16, E726-116, E725-16, E726-216, E725-116, E726-316, E725-416, E726-416, E725-216, E726-516, E715-16, E714-16

F18:E723-18, E726-118, E725-18, E726-218, E725-118, E726-318, E725-418, E726-418, E725-218, E726-518, E715-18, E714-18

F2:E723-2, E726-102, E725-2, E726-202, E725-102, E726-302, E725-402, E726-402, E725-202, E726-502, E715-2, E714-2

F1:E725-201, E726-501, E715-1, E714-1+E725-101, E726-301, E725-401, E726-401+E723-1, E726-101, E725-1, E726-201

W7:W723-107, W726-107, W725-107, W726-207+W725-207, W726-307, W725-307, W726-407, W725-407, W726-507, W715-507, W714-507

W2:W726-402+W723-102,W726-102+W725-302,W725-102,W725-402,W726-202,W726-502,W715-502, W714-502, W725-202, W726-302

いよいよ F 編成は残り 3本です。W 編成の動きはいつあるのでしょうか。

7月23日長野新幹線車両センターの状況

今日は本来なら東京オリンピックの開会式の前日、盛り上がっている日だったと思いますが、新型コロナの影響で1年延期になり、オリンピックの話もあまり出てこなくなりました。その中、最後の1両と残ったオリンピック装飾の E7系 E723-7 はどうなったでしょうか。気になって週末ではないのですが訪問してきました。

E723-7 の現状は

実は既に屋外で姿を見ることができず、今日は窓が全部閉じた臨修庫内で重機を使っての解体の音、しかも床に大きなものが落ちるような音もしていましたので、E723-7 の解体の最終段階なのかもしれません。どちらにしても、今日の夕方か明日にはトラックで搬出されると思います。東京オリンピックの元々の開会式の明日にには、完全にその姿が長野新幹線車両センターから消え去るということですね。

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新幹線解体くずを運ぶ大きなトラック(15時位にやってきます)

W7系 W7編成の現状は

一方の同じ第7編成の W7 系 W7 編成は動きがありませんでした。ただ、JR東日本の人だとは思いますが、臨修庫の中に入る手前に写真を撮影していたりしたので、この後動きがあるかもしれません。

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W723-107

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W726-107

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W725-107

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W726-207

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W725-207

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W726-307

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W725-307-W726-407

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W725-407

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W715-507, W714-507

残念ながら10号車の W726-507 は撮ることができませんでした。それにしても、雨の力はすごいですね。W714-507 がピカピカです。検修庫から出てきた時はこんなでした。

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6月24日の W715-507, W714-507

検修庫の動き

中身空っぽで窓やドア全開の検修庫、今日は飯山よりで ブロアーの轟音と高圧洗浄機での水洗いの音、そして濛々と上がる土埃が出ていたので、どうやら検修庫修繕前の清掃を行っているようです。こちらも通常の車両整備ができるようにとの動きが始まりましたので、来春には車両の検査も始まるかもしれません。ただ、今回は清掃して検修庫を直すだけでなく、再度の水害時に水没しないよう、防水扉などを整備することになっているので、検修庫側面の窓の開口部も高くするかもしれないですね。もしそうなったら車両の確認とかが外からしにくくなります。。。。。

検修庫横の E726-516

検修庫横には次の解体作業の準備で、アントにつながれた E726-516 が置かれてました。

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E726-516

臨修庫の中の E723-7 がトラックで搬出された後、このまま臨修庫に E726-516 を押し込みE725-116, E714-16, E715-16 を連結して引き出し、E725-116, E714-16, E715-16 に E726-516 を連結して奥まで押し込んだ後、最後に解体する E725-116 を臨修庫内に置いてくるという作業をするのですが、最初のうちこのようなことを解体が始まってからしているとは思わず、車両の場所が変わっていたりして結構驚いていました。わかってみると単純で作業はしていても走り装置はそのままなんだから、解体場所はその作業範囲によって固定されていて、車両を連結して動かせばよいだけというのに気づくまで、ちょっと時間がかかりました。解体始まったら動かさないという先入観・・・・・ですね。

留置線の状況

本日時点の留置線の状況はこのようになりました。検修庫は空っぽ、留置線は2~5番線を廃車置き場に使用、車輪転削庫前後は W7 が占領という形は変わりありません。

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長野新幹線車両センター 7月23日見たまま

F16 のなにもされていない最後の 1両、E725-216 は渡り線手前にポツンと置いてあります。

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E725-216

この 1両が検修庫脇に移動したら、次の解体編成がここに置かれるんですね。

解体待ちと解体済みの一覧

現在の水没 E7 / W7 の状況です。解体された順番に並べています。赤字は解体済み、黄色字は解体中、緑は残されている車両、解体待ちの編成は現在の編成状態で書いてあります。 (F1 と W2 がオリジナルの編成の状態と異なります。)

【解体】

F10:E723-10, E726-110, E725-10, E726-210, E725-110, E726-310, E725-410, E726-410, E725-210, E726-510, E715-10, E714-10
F7  : E723-7, E726-107, E725-7, E726-207, E725-107, E726-307, E725-407, E726-407, E725-207, E726-507, E715-7, E714-7

F14:E723-14, E726-114, E725-14, E726-214, E725-114, E726-314, E725-414, E726-414, E725-214, E726-514, E715-14, E714-14

F8  : E723-8, E726-108, E725-8, E726-208, E725-108, E726-308, E725-408, E726-408, E725-208, E726-508, E715-8, E714-8

F16:E723-16, E726-116, E725-16, E726-216, E725-116, E726-316, E725-416, E726-416, E725-216, E726-516, E715-16, E714-16

F18:E723-18, E726-118, E725-18, E726-218, E725-118, E726-318, E725-418, E726-418, E725-218, E726-518, E715-18, E714-18

F2:E723-2, E726-102, E725-2, E726-202, E725-102, E726-302, E725-402, E726-402, E725-202, E726-502, E715-2, E714-2

F1:E725-201, E726-501, E715-1, E714-1+E725-101, E726-301, E725-401, E726-401+E723-1, E726-101, E725-1, E726-201

W7:W723-107, W726-107, W725-107, W726-207+W725-207, W726-307, W725-307, W726-407, W725-407, W726-507, W715-507, W714-507

W2:W726-402+W723-102,W726-102+W725-302,W725-102,W725-402,W726-202,W726-502,W715-502, W714-502, W725-202, W726-302

E723-7 解体で F7 は完全消滅、F16 も来週には消滅しそうですね。来週後半に次の解体編成が車輪転削庫手前に置かれるかもしれません。F18 か F2 か。部品撤去の順番は F18 が先だったので、次は F18 じゃないかなと個人的には思います。ただ、車内が水没していないのは F1 と F18 なので、そういう点から F2 先に・・・・となるかもしれませんが。それは次の訪問の時にわかりますね。